KK2事業について
税金に依らない民設民営の“公民館”
霞が関ナレッジスクエア(KK2)
2008年春に開設したKK2は、ご協賛いただいている皆様に支えられ、税金に依らない民設民営の公民館として活動しています。東京都心の官民結節点である霞が関・虎ノ門地区で、産学官の連携・交流・学びの推進、ビジネスパーソンへの学習・文化・交流の機会の提供など、”新しい公共”の一翼を担う社会教育プログラムを進めております。
「物をつくる前に人をつくる」(松下幸之助氏)という言葉に代表されるように、かつて企業は、従業員の人材育成(しごと力向上)を社会的使命として取り組んできました。しかし昨今、企業はその使命を放棄し、個人や高等教育機関にキャリア教育職業教育の役割を転嫁し、それぞれの自己責任に帰す傾向が進んでいます。
一方、高等教育機関を卒業しても就業できない若者が急増し、経験豊かな多くの高齢者が能力と時間を持て余しています。各企業は若者に働く場を提供し、高齢者は社会の課題解決を担い、老若男女問わず働くことを通して学び自らのしごと力を磨く、という正のスパイラ ルを取り戻すことが大切です。
KK2は、若者やビジネスパーソンに必要な知識、スキル、コンピテンシーをいつでもどこでも学べる環境を提供し、しごと力向上のお手伝いをし、キャリアを応援したいと考えております。
「共に考え、共に学び、共に担う」社会の実現に向け、ささやかなではありますが取り組んでまいります。皆さまのご参加とご支援をよろしくお願い申し上げます。
霞が関ナレッジスクエア担当理事
久保田 了司
1.運営者
KK2は、財団法人高度映像情報センター(以下、AVCC)が運営主体として事業を推進し、遠隔教育プラットフォームの運用は株式会社メディアリンクがサービスの提供を行っています。
2.KK2の生い立ち
KK2は、官と民の結節点となる霞が関官庁街の入口にPFI(Private Finance Initiative)手法により開発された「霞が関コモンゲート」にあります。文部科学省、金融庁、会計検査院等中央省庁と、帝人株式会社をはじめとする民間企業が、一つ屋根の下にオフィスを構える我が国で初めての新しいスタイルの街です。
また、「千代田区霞が関」という場所は、一丁目から三丁目まで0.48平方キロメートルの面積にたった5世帯9人が住む(住民基本台帳2009年7月1日)という都心の過疎地域です。一方で、昼間人口は5万9210人(2005年国勢調査)と、極端な昼夜の人口格差となっており、いわゆる夜間過疎のこの地域には、公民館・図書館・博物館・学校といった公共施設が一切整備されていません。
KK2は、新しい街「霞が関コモンゲート」の言わばシンボルとして誕生、PFI事業者(霞が関七号館PFI株式会社)により、二か所に分かれた計約100坪のスペースをスケルトンで提供を受け、自主財源により内装を含む設備インフラを整備、公の税に依らない「民設民営」の公民館として2008年1月4日オープンしました。
3.KK2の運用を支えるメンバー制度とレンタルスペース事業
事業の運営は、KK2事業にご協賛いただくメンバー(民間企業、業界団体、大学専門学校、NPO法人、個人等)様から頂戴する協賛会費と、レンタルスペース(①スタジオ:セミナー/イベント/ネット中継収録、②エキスパート倶楽部:交流カフェ/交流パーティ、③ラウンジ:セカンドオフィス/テレビ会議等)の施設貸し出し料を財源としています。
4.KK2のミッション
KK2は、大きく4つのミッションを掲げて活動をしています。
(1)しごと力向上の取組み ~キャリア応援プログラム~
(2)都心で働く人々の交流ネットワーク作り ~KK2文化プログラム~
(3)産学官民交流による”知”の創造 ~イノベーションプログラム~
(4)遠隔教育プラットフォームの普及 ~ライブ配信と学習ライブラリの拡充~
(1)しごと力向上の取組み ~キャリア応援プログラム~
KK2は、ビジネスパーソンのしごと力(しごとに役立つさまざまな力)の向上のため「キャリア応援プログラム」を提供しています。グローバル化が進む現在、自分とは異なる文化、価値観と共存・共栄していくためのコンピテンシー(高い成果を生み出す能力・行動特性)の発見とその学習環境の整備を進めています。
キャリア教育番組「エキスパート・スタジオ」~社会で活躍する人のしごと力を学ぶ~
さまざまな分野の職業で活躍するエキスパートをゲストに迎え、「しごと力」「仕事とは」「働く喜びとは」などについて考え学ぶ、インタビュー形式のキャリア教育番組です。ゲストは社会人10年目程度の若い世代と、定年退職後に社会の課題解決に活躍するシルバー世代の方々。エキスパートをロールモデルとして、そのコンピテンシーに気づき、自分なりに実践することで、その行動パターンを身に付けていく・・・等しごと力向上のきっかけをつかむことができる番組です。
コンピテンシー・チェック ~「Feel」「Think」「Act」あなたのコンピテンシーをチェック~
KK2では、各職業に共通のコンピテンシー(社会で活躍する人の行動特性)を研究し、「Feel=人間関係力」(自己認識力、感情マネジメント力、共感力、コミュニケーション力)、「Think=問題解決力」(状況把握力、原因究明力、選択決定力、リスク分析力)、「Act=実行力」(実行力)の3カテゴリ、9項目に整理しました。コンピテンシー項目毎に開発された課題映像(ドラマ)を視聴し、自分ならどう考え行動するのかを記述後セルフチェックを行います。自分自身を理解し、必要な意識変革やのぞましい行動などを理解するとともに、よりよい行動特性を身に付けていくことを目指すチェックシステムです。
「しごと力向上ライブラリー」~いつでもどこでも学べるしごとに必要な「Knowledge」「Skill」~
“学力”を学ぶ学校では充分教えられていませんが、社会に出て仕事に就くと必要とされる”しごと力”「Knowledge」「Skill」をテーマに、毎月一単元WEBコンテンツを開発し、オンデマンドで学習できるライブラリーとして提供しています。ビジネスマナーやビジネススキルなど、新入社員はもちろん様々な職業のビジネスパーソンに役立つ教材を公開しています。
- 【ビジネス】:ビジネスや社会貢献活動に役立つコンテンツ
- 【法律】:ビジネスや社会貢献活動に役立つ法律に関するコンテンツ
- 【健康】:心身共に安全で健康な生活を送るために役立つコンテンツ
- 【生活・文化】:心豊かな暮らしを送るために役立つコンテンツ
- 【ビジネスマナー】:ビジネスで円滑な意思疎通を行うための基本ルール
- 【ビジネススキル】:ビジネスを円滑に遂行するために役立つコンテンツ
- 【ITスキル】:ビジネスに役立つ基本的なITに関連したコンテンツ
- 【マネジメントスキル】:組織やチームをマネジメントし目標を達成するために役立つコンテンツ
「KK2カウンセリングプログラム」(初回無料) ~キャリアについてカウンセラーが相談に乗ってくれます~
そもそもカウンセリングとは「言語的および非言語的コミュニケーションを通して、相手の行動の変容を援助する人間関係(「カウンセリングの理論」國分康孝著)」であり、カウンセラーとクライアント(来談者)の間で行われる相談・援助等にかかわる人間関係のことをいいます。
KK2のキャリアカウンセリングは、キャリアに的を絞り、自分のキャリアについて悩むビジネスパーソン、これから就職を控えている学生など、キャリアに関する悩みについてプロに相談できるサービスを行っています。
「KK2しごと力道場」(新規事業) ~しごと力に磨きをかける他流試合~
KK2では、産学官の様々な領域で活躍するビジネスパーソンを対象に、根源的なテーマについてディスカッション、ディベートを行い、「自分で考える力」を養うことを目的とした「KK2しごと力道場」を実施します。初年度(H23年度)は第1期として、12名程度の参加者を募集し、全4回程度のシリーズで開催。テーマは「組織にリーダーは本当に必要か?」「企業には社員を育てる義務があるのか?」など“あたりまえを疑う視点”に立ったものを提示。ディスカッションとディベートを組み合わせた構成にし、互いに切磋琢磨し深く学ぶ場として、また、異業種交流を通じて視野を広げる場として提供したいと考えています。ディベート部分については収録を行い、Webコンテンツとして公開する予定です。
(平成23年度新規事業)
(2)都心で働く人々の交流ネットワーク ~KK2文化プログラム~
2008年春「霞が関コモンゲート」がオープンしましたが、官民に働く人をネットワークする取組みや、隣接する「霞が関ビル」や「東京倶楽部ビル」との地域連携も含め”街づくり”活動はほとんど行われていません。また「カスミガセキ」と聞くと多くの人は”堅苦しい””敷居が高い”というイメージを持ちますが、KK2は都心で働く人の公民館として、親しみ易い霞が関を目指し、官民の人的交流や霞が関の街づくりを創出してまいります。
具体的には、年間を通じて「KK2文化プログラム」を開催いたします。これは都心で働くビジネスパーソンに気軽に文化を楽しむ機会と、文化を通じた人と人との交流の場を提供するプログラムで、霞が関コモンゲートの賑わいづくりにも一役買います。文化庁の「霞が関から文化力」事業として認定され文化庁のWebサイトからも広報されています。主なプログラムは次の通りです。
「ワインセミナー」
ワイン伝統国であるヨーロッパはもちろん、新興国、そして日本などをテーマに、生産地やぶどうの種類、ワインの製造方法など初心者向けにわかりやすく解説するワイン講座。講師による講義だけでなく、ワインの試飲や交流会を通して楽しいひとときを企画し、ビジネスパーソンが気軽にワインの知識を身につけられる機会、異業種の交流の場の提供を行います。
「霞が関寄席」
若手の落語家、講談師に高座に上がる機会を提供。ストレスの多いビジネスパーソンが伝統芸能に触れ、また笑いでストレス発散、リラックスする場を提供します。月一回開催。
「霞が関ミュージックサロン」
世界で活躍する日本人アーティストの一時帰国に合わせたコンサートや、日本の伝統芸能に親しむ機会を提供。演奏者と参加者との交流会を通じ、道を究めたエキスパートの”生き方”にも触れることができます。
「霞が関シアター」
霞が関の公民館として、霞が関・虎の門地区に働く官民の方々を対象に 文化・科学・教育分野のインディペンデント系(自主・独立)映画の 上映会を開催します。
上映会と共に、映画をテーマにしたトークイベントや 制作スタッフや参加者との交流会を実施し新たな文化交流を実現します。
(文化庁・霞が関から文化力プロジェクト認定講座)
「Aid Station」
大震災等有事の際、都心の帰宅困難者支援を行う「Aid Station」活動を行うために準備を進めていましたが、2011年3月11日測らずも発生した「東北地方太平洋沖地震」において、帰宅困難者にKK2を開放し、約300名の方々を支援しました。この経験をもとに、明らかになった課題を踏まえ、より有効な支援ができるAid Stationを目指し、官民地域連携を強化し、有事に備えてまいります。
(3)産学官民の交流による知の創造 ~イノベーションプログラム~
KK2の周辺は、中央省庁に働く人、大学教育関係者、民間企業に勤める人など、さまざまな人々が集まります。そこでそれらの人々の知(Knowledge)を結集することで、あらたな「知」を創りだし、活力のある日本の再生に貢献することをめざし、大学教育改革をテーマとした「イノベーションプログラム」を企画開催しています。KK2の遠隔教育プラットフォームを最大限活用し全国の国公私立大学を繋ぎ、「社会から求められる大学」「大学の地域貢献」「大学でのキャリア教育」等産学官連携による研究成果やGood Practiceの紹介等を行います。
(4)遠隔教育プラットフォームの普及 ~ライブ配信と学習ライブラリの拡充~
KK2では、キャリア応援プログラム、KK2文化プログラム、イノベーションプログラムに、全国及び全世界の遠隔地の方々が参加できる遠隔教育プラットフォームを整備し、ライブ配信を実施しています。参加者はPCもしくは携帯端末で受講し、レスポンスアナライザ機能を使って質問し、アンケートやテストに回答するなど、双方向の遠隔教育を実践しています。またKK2が主催するプログラムは原則すべて収録し、WEBコンテンツとしてサイトで公開しライブラリ化しており、いつでもどこでも学べるオンデマンド学習環境の拡充を進めています。

