『ビッグデータ時代の新マーケティング思考』 (横山 隆治/海老根 智仁/鹿毛 比呂志 著)

『ビッグデータ時代の新マーケティング思考』

『ビッグデータ時代の新マーケティング思考』 (横山 隆治/海老根 智仁/鹿毛 比呂志 著) 

著者:横山 隆治/海老根 智仁/鹿毛 比呂志
出版社:ソフトバンククリエイティブ
発行:2012/11
定価:1,680円


【目次】
 1.ビッグデータの時代
 2.ターゲットの再定義
 3.ビッグデータ時代のマーケティングコミュニケーション
 4.未来の顧客を発見する
 5.反応者志向の発想でビジネスの常識が変わる

  • ■ビッグデータがもたらす変革

     ビッグデータの時代とは遠い未来のことではなく、進行中の現在である。私たちの周辺にはさまざまなデータがあふれかえっている。企業内の業務システム上のデータに顧客管理システム上のデータ、自社のWebサイト上のデータ、ソーシャルメディア上の顧客の声、位置情報やセンサー情報。とりわけ、インターネットの発展にともなって爆発的に増大したのがテキストや画像、動画等をはじめとする「非構造化データ」だ。
     電子メールやブログ、SNSなどでやりとりされる非構造化データは現状、企業が抱えるデータの約80%を占めるといわれる。これらの非構造化データを含めた膨大な量のデータ群(=ビッグデータ)を分析し、ビジネスにおける傾向の特定、経営戦略の構築支援などに活用しようという機運が高まっている。
     ビッグデータがもたらす恩恵は多方面に及ぶものであるが、本書ではビッグデータが企業活動にもたらす変革にフォーカスしている。

  • ■これからのマーケティングに必要なもの

     マーケティングを成功させるためのターゲティングという行為が、日々進化するテクノロジーの潮流の中で、変化しつつある。ビッグデータを背景に、個々の顧客に最適化された広告表現が訴求できるようになりつつある現在、最大公約数の消費者に伝わるようなメッセージを最大公約数の消費者が接触する媒体を通じてプッシュすることを前提にしている「送り手主導のコミュニケーション」は消費者のニーズになじまなくなってきた。
     これからのマーケティングには、個々の消費者のニーズに、ベストのコミュニケーションをマッチングさせる、消費者からのプルを前提にした「受け手主導のコミュニケーション」が必要となる。さらに、ニーズは、人間が生きていくうえで必要な基本的な欲求(狭義のニーズ)と、より具体的な欲求(ウォンツ)に分類される。商品選択の主導権が消費者に移って以降、高次元化が進む「ウォンツ」。それを読むことが、今後はますます求められていくであろう。

  • ◎著者プロフィール

    横山 隆治:デジタルインテリジェンス代表取締役。1982年旭通信社入社。96年、デジタルアドバタイジングコンソーシアム起案設立。日本初のアドネットワークを構築し、アドテクノロジーに精通。11年より現職。

    海老根 智仁:オプト取締役会長。中小企業診断士。大手広告代理店退職後、財団法人社会経済生産性本部において経営コンサルタントの認定を受け、その後1999年9月、オプト入社。2009年より現職。

    鹿毛 比呂志:デジタルインテリジェンス取締役。2004年オプト入社。2009年、ADKインタラクティブに転じ、Web解析およびデータドリブンなマーケティングプラットフォーム構築支援ビジネスを立ち上げ、コンサルタントとして取り組む。2011年より現職。