『8割の「できない人」が「できる人」に変わる!  行動科学マネジメント入門』(石田 淳 著)

『8割の「できない人」が「できる人」に変わる!  行動科学マネジメント入門』

『8割の「できない人」が「できる人」に変わる!  行動科学マネジメント入門』(石田 淳 著) 

著 者: 石田 淳
出版社: ダイヤモンド社
発 行: 2013/02
定 価: 1,470円


【目次】
 序.なぜ、部下が育たないのか?
 1.「できない人」の理由は二つだけ
 2.あなたの「言葉」は伝わっているか?
   ――正しく動いてもらう技術
 3.「良い行動」を繰り返すには?
   ――正しく続けてもらう技術
 4.部下を伸ばす三つのスキルと四つのルール
 5.人を動かす「褒め方・叱り方」
 6.チームとして成長していくには?
 終.行動科学で自分自身もケアしよう

  • ■プレーヤーからマネジャーになるために

     プレーヤーとしては自信があったのに、マネジャー業務がうまくこなせないと悩む人は多い。多くの人たちが「部下育成」で苦しんでいる。
     それまでプレーヤーとして活躍してきた人は、「優秀だ」と評価されたからこそ、マネジャーになり、部下指導という仕事も任されるのであるが、プレーヤーとマネジャーはまったく仕事の質が違うため、できるプレーヤー、イコール、できるマネジャーとは限らない。しかも、日本企業ではほとんどの場合、マネジャーになってもプレーヤー、つまりプレイングマネジャーであることを求められる。
     自分も活躍して業績アップに貢献し、自分の部下もきちんと育てる、この両方の課題を、会社から与えられた期間内にいかにきちんとやり遂げるか。これは、いわゆる「頑張り」という精神論で解決できる問題ではない。本書では、精神論に陥る過ちを犯すことなく、いかに科学的に部下育成に取り組むかを「行動科学マネジメント」に基づいて、紹介している。

  • ■正しく伝え、動いてもらう技術

     行動科学マネジメントでは、徹底した「分析」「観察」「計測」などを行うが、その対象はすべて生身の人間の行動である。
     部下を育てようと思ったとき、まずは彼らをじっくり観察することから始めよう。そして、結果を出せずにいる部下に欠けている行動をあぶり出し、それを伝えていかなければならない。そのためには、一連の仕事の流れを、大分類・中分類・小分類などに分けながら、具体的な細かい行動に分解していくことが必要である。
     また、人を動かすのは「結果」の力であることを知っておくべきである。行動科学マネジメントでは、人が行動するサイクルを「ABCモデル」と呼んでいる。つまり、ひとはA=Antecedent(先行条件)によってB=Behavior(行動)し、その行動のC=Consequence(結果)が再び行動を起こすための先行条件となる。人は、良い結果や望ましい結果があってこそ、行動を繰り返すものである。ABCモデルを理解すれば、部下の良い行動を誘発することができるようになる。

  • ◎著者プロフィール

    社団法人行動科学マネジメント研究所所長。社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事。株式会社ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼最高経営責任者。米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。著書に『組織が大きく変わる最高の報酬』(日本能率協会マネジメントセンター)などがある。