『パワー・クエスチョン』 (アンドリュー・ソーベル/ジェロルド・パナス 著)

『パワー・クエスチョン』  ‐空気を一変させ、相手を動かす質問の技術

『パワー・クエスチョン』  (アンドリュー・ソーベル/ジェロルド・パナス 著) 

著 者: アンドリュー・ソーベル/ジェロルド・パナス
出版社: 阪急コミュニケーションズ
発 行: 2013/04
定 価: 1,785円


【目次】
 1.いい質問は安易な答えに勝る
 2.どん底に落ちたくなかったら穴を掘るな
 3.四語
 4.売り込みがうまくいかないとき
 5.ミッションは重要なのではない。すべてだ
 ・・・他30テーマ

  • ■質問には、会話を楽しいものに生まれ変わらせるパワーがある

     商品の売り込み、社内会議での発言、契約を取るためのプレゼンテーションなど、ビジネスの場では、さまざまな機会にコミュニケーション能力を試されるが、適切な質問を適切なタイミングで投げかけることができれば、一歩踏み込んだコミュニケーションを実現できるはずだ。
     的を射た質問をされると、私たちは新たな視点から問題をとらえ直そうとする。そうすることで自分の思い込みに気づき、これまでの考え方を捨てることになる。つまり、質問が契機となって、もっと学び、新たな発見をしたいという気になるわけだ。質問には、会話を驚くほど楽しいものに生まれ変わらせるパワーがある。パワー・クエスチョンは、問題の核心に切り込む強力なツールであり、閉ざされた扉を開く鍵となる。
     本書では、現在のアメリカビジネス界に大きな影響力を持つ経営コンサルタントである著者の二人が、興味深い事例を紹介しながら、優れた質問が持つパワーを実践的に伝授している。

  • ■自問することにより、限界まで自分に挑戦しよう

     常にアップルの製品が別格であることを求めたスティーブ・ジョブズは、「これが君にできるベストなのか?」とスタッフに問い続けることで、革新的な新製品を世に送り出してきた。この質問をすると、相手は高みをめざそうと奮い立ち、自分にできるベストとはなにかを考えた結果、考えうるかぎり最高の仕事をしてくれるからだ。
     また、パワー・クエスチョンには、相手の能力を最大限に発揮させるだけでなく、その矛先を自分に向けることで自分の能力を伸ばす力も秘めている。マネジメント論の第一人者、ピーター・ドラッカーが常にクライアントに提起しているという五つの質問がある。それは、ミッション、顧客(人間関係)、価値観、成果(期待)、そして計画に関する質問である。これらは組織だけでなく、個人にも当てはまる。これらの質問を自分に問いかけて限界に挑戦することにより、水面下に潜んでいる自己の可能性を引き出すこともできるのである。

  • ◎著者プロフィール

    アンドリュー・ソーベル:シティバンク、ゼロックスなど有名企業トップに対するコンサルタントとして30年におよぶキャリアを誇る。クライアントとの間に信頼関係を築き、持続させる戦略に関する著書で有名。

    ジェロルド・パナス:大学や美術館など主に非営利の組織や団体に資金調達に関するアドバイスを行ってきた世界最大のコンサルティング会社のCEO。全米各地で年間50回以上の講演をこなしている。