『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』(戸塚 隆将 著)
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■世界のトップ層が在籍する3組織での経験をもとにビジネスの「基本」を紹介
ゴールドマン・サックス、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ハーバード・ビジネス・スクール。世界中の産業界、金融界、政界などのトップ層の多くが、この三つの組織に在籍した経験をもっている。本書では、この3組織すべてに在籍したことのある著者が、世界のエリートたちに共通するビジネスの常識や心構え、仕事の流儀を具体的なエピソードとともに紹介している。
マッキンゼーのコンサルタントは「“So what ?(だから、何?)”を5回繰り返せ」と言われるという。「空に雲が広がってきた」“So what ?”「雨が降るかもしれない」“So what ?”「傘を持って出かけよう」というように、「次に何が言えるのか」を繰り返していくことで論理的に問題解決を進めていく習慣を身につけろということだ。普段見聞きするさまざまな事象について、課題を見つけ、解を見出すクセをつけることで骨太な論理的思考力が養われる。 -
■プレゼン資料は「データを作る」発想で、細部に注意を払うこと
マッキンゼーのプレゼンテーション資料では「1チャート、1メッセージ」が徹底されている。各ページに一つのメッセージがあり、それを裏付ける一つのチャートとセットになっているというのだ。それによって明確な論理構造を示すことができる。
「1チャート、1メッセージ」のためのコツは「データを作る」発想を持つこと。まずデータがあって、そこからどういうメッセージを引き出すか、ではない。まずメッセージを打ち出し、それを納得感あるものにするためのデータを探す、あるいは組み合わせるなどして作り出す。捏造してはいけないが、正しいデータであればその見せ方を工夫するのである。
また著者はゴールドマンの新人時代に“attention to detail(細部に注意を払え)”ということを徹底して刷り込まれたという。細部の詰めが甘い資料などからは、作成者の仕事に対する意識の欠如が伝わってしまうからだ。 -
◎著者プロフィール
シーネクスト・パートナーズ株式会社代表取締役。1974年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックスにて、日米欧アジア企業のM&Aアドバイザリー業務に5年間従事。その後、ハーバード経営大学院にてMBA取得後、マッキンゼー&カンパニーに転じ、多国籍企業の戦略立案、組織改革、事業譲渡、事業提携等の戦略コンサルティング業務に従事。2007年シーネクスト・パートナーズを設立、代表取締役に就任。