『会社で生きることを決めた君へ』 (佐々木 常夫 著)

『会社で生きることを決めた君へ』

『会社で生きることを決めた君へ』 (佐々木 常夫 著) 

著 者:佐々木 常夫
出版社:PHP研究所
発 行:2013/10
定 価:840円


【目次】
 1.会社で生きる君へ
 2.仕事のプロになる
 3.信頼される上司であるために
 4.強いチームをつくる
 5.自分を高める

  • ■ビジネスパーソンが最も大きく成長できる40代へのエール

     『部下を定時に帰す仕事術』『そうか、君は課長になったのか。』などのベストセラーで知られる著者が、主に40代のビジネスパーソンに向けて、さらなる成長を期待して語る実践的アドバイスの書である。
     40代は、20代から30代にかけての経験を生かし、ビジネスパーソンとして大きく成長し、会社にも大きく貢献できる時期であり、同時に管理職として部下の成長やチームで結果を出す喜びを味わえる時期でもある。この時期をどう考え、どう生きるかで、その人のビジネスパーソンとしての人生が決まるといってもよい。40代になると、いやでも「組織」を意識して働かざるを得なくなる。思いもよらぬ人事異動、不当と思えるような低い評価、疑問に苛まれる経営方針、現場軽視の経営陣、思うように動かない部下……。あらゆる困難と制約を引き受け、それでもなお、組織人であることを選び取るビジネスパーソンへのエールが、著者自身の実体験をもとに、31のメッセージに込められている。

  • ■たとえ左遷されても、挫折をスプリングボードにして這い上がれ

     「自分はきちんと評価されていない」と不満を抱く人は多い。そういう人に対して、著者は「そもそも人事なんて不公平なものだ」と答える。人が人を評価するかぎり、評価する側の価値観や好き嫌いが必ず評価に反映される、と割り切るしかないのだ。とはいえ、不公平な人事評価がずっと続くこともない、というのが著者の感じ取ってきた結論だ。相性の悪い上司だって、数年もすれば入れ替わる。努力を惜しまず、まっとうに仕事に取り組んでいれば、多少のでこぼこはあっても、ならせばその人の実力や努力に見合った評価が下される。人事評価は長い目でみれば、だいたい帳尻が合うものなのだ。だから、そのときどきの人事評価に一喜一憂しないこと。「まあ、そんなこともあるさ」と思っていればいい。仮に左遷させられても、大切なのは、その左遷を「自分を高めるチャンスに変えられる」かどうか。左遷を本当の左遷にしてしまわないで、挫折をスプリングボードにして這い上がってきた人間は、見違えるほど強くなる。

  • ◎著者プロフィール

    1944年秋田市生まれ。東京大学経済学部卒業後、東レ入社。自閉症の長男や肝臓病で入退院を繰り返すうちにうつ病を併発した妻を抱え、育児・家事・看病をこなしながらも熱心に仕事に打ち込み、2001年、東レ同期トップで取締役に。2003年より東レ経営研究所社長。経団連理事、大阪大学客員教授などの公職も歴任。著書に『部下を定時に帰す仕事術』『そうか、君は課長になったのか。』(いずれもWAVE出版)など多数。