KK2  weekly【メッセージfromKK2】 (第411号 2016年2月12日発行) by AVCC

霞が関ナレッジスクエア
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メッセージfromKK2

一億総活躍社会には「ICT弱者」の救済が不可欠では?

久保田了司
一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)理事長
霞が関ナレッジスクエア(KK2)代表

久保田了司さん
 2月13日~14日の二日間、12名のスタッフ編成で岩手県大船渡市末崎町ふるさとセンター(公民館)を訪れ、2015年度最後となる「デジタル公民館まっさき」活動を行います。多数のお申込みがありましたが予算の関係でスタッフを絞らせていただきました。ご参加いただくことができなかった皆さまにはお詫び申し上げます。
 3.11東日本大震災直後から続けてきたこの活動の軸は「パソコン・インターネットよろず相談」です。国はICT立国を唱えていますが、当時避難所となった高台の公民館にはFax兼用電話一本しかありませんでした。
 私達はまず高速回線を引きWiFi環境を整備し、中古ですがノートPCを10台持ち込み、公民館報で告知し参加者を待ちました。すると「被災状況の写真を整理したい」「同好会の会計報告を作りたい」「仮設住宅に配るチラシを作りたい」「ネットで買い物をしたい」「名簿を整理しDMを出したい」「ブログで地域情報を発信したい」「ボランティアさんとfacebookで繋がりたい」「海外に住む孫とSkypeで会話したい」といった様々なニーズを持つ住民の方々(主にシニア層)が次々と来られました。スタッフは一人一人にface to faceで向き合い課題を解決し、そして被災された時の様子等をじっくり伺いました。これはスタッフにとっても貴重な体験となりました。

 こうした継続的な活動は、復興庁・文科省が募集する「学びを通じた被災地コミュニティ再生支援事業*」に採択され、自律したコミュニティ再生の後押しと「ICT弱者」救済を続けてきました。しかし国が定めた「集中復興期間」終了に伴い、2016年度は、この事業は無くなりました。被災地の自立を促すことは十二分に理解しますが、ICTデバイド(格差)は深刻です。国は新たに一億総活躍社会を掲げ、「みんながもう一歩前に出ることができるような日本に変えていかなければならない」と謳っていますが、それには「ICT弱者」の救済が不可欠ではないでしょうか? 高速通信網の整備だけでは画竜点睛を欠きます。
 KK2では来年度、経費自己負担のボランティアスタッフを募りこの活動を細く長く持続する予定です。皆さまのご支援ご指導よろしくお願いします。

   *受託・運営主体は、大船渡市「デジタル公民館まっさき」運営協議会