売手市場における34歳までの年収は5年前と比べて上がっている? 他の年代に比べて上昇している?
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伊藤健二
KK2産学官連携主席研究員 明治学院大学 学長特別補佐(戦略担当)
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10月1日に内定式が行われました。マイナビによると、2017年8月末時点の内々定率は82.7%と前年同月比5.2pt増となっています。本年の内々定率は、調査期間である2017年3月から8月の全ての月において前年を超え、売り手市場が反映された結果となっています。売手市場の中で、若者のキャリアとして「年収」と「働く意識」はどう変わってきているでしょうか。
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、5年前からの年収においては、H.24を100とした時のH.25年からH.28年の比率は、20-39歳まではグラフの通り、H.28、H.27年ともに100%より大きな比率になっており、40-54歳では100%より小さいことが分かります。34歳迄の年収を高めて人材を確保しておこうということが顕著に見えています。
(上)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(・・・H.24は編集部で加筆)
(下)日本生産本部「平成29年度 新入社員働くことの意識調査結果」
では働く目的等、意識についてはどう変わっているでしょうか。
日本生産本部「平成29年度 新入社員働くことの意識調査結果」によると、「楽しい生活をしたい」「経済的に豊かになる」という数値は上がっており、「自分の能力をためす」については下がっています。
年代別の年収の実態を理解しつつ、34歳迄(枠囲み部分)の皆さんは、「楽しい生活をしたい」「経済的に豊かになる」にあたって、具体的には何を実践していくことが重要でしょうか。KK2では、「動因」もコンピテンシーの一環として整理しておりますので、ぜひご覧になって、検討頂ければと思います。34歳迄の年代の方々は、どのように、その年収分や自社の組織の資源を活かし、組織への貢献をどのように考え、35-59歳の人たちと合意形成をしていくといいでしょうか?
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