40歳の時に「時間管理労働」と「チームのリーダ」の人数はどの程度の割合いで、年収ではどの程度差がついていると思いますか?
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伊藤健二
KK2産学官連携主席研究員 明治学院大学 学長特別補佐(戦略担当)
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私が委員長をしております「PB地方創生幸福度調査委員会2016*」による2万人の調査によると、40歳未満(30~39歳)の割合では、時間管理労働者53.3%に対して、管理職は11.7+10.3=22.0%と、4割程度になっています。また年収については、40歳未満の時間管理労働2.7百万円に対して管理職は3.9百万円と145%になります。メンバーの管理権限を持っているのは、4割と絞られますが、145%の年収増につながっています。これは男女・業種をこえた数値です。皆さまの会社でどうなっているかは別ですが、年収が上がりにくいなどの話題を伺うと、「メンバー管理」のスキルや権限を持つようになることなど考えては如何でしょう。
よくメンバーの管理は面倒、自分で作業をしたいなどの話を聞きますが、年収を獲得することにもつながりますし、それ以上に、メンバーとの対話による信頼関係の構築など、キャリアとしての満足度、幸福度にもつながるのではないでしょうか。また、どの年代でも、管理権限を持つ人の年収は、同年代で最も高くなっています。若いうちに、管理権限を持てるように努力するのは如何ですか?
「PB地方創生幸福度調査委員会2016」 年代別権限者割合(男女)
「PB地方創生幸福度調査委員会2016」 年代別権限別年収(男女)
管理権限を持った人に重要な「メンバーを育てる」ということについて、政府で大きな動きがあります。出産・育児で退職した女性や定年退職した高齢者らがビジネスの技能を磨く「リカレント(学び直し)教育」推進のため、政府は2019年度以降に約5千億円を投入する方針を固めています。管理権限を持っている人は、メンバーにどんな学び直しを考えられますか? それぞれのメンバーに必要な学習内容を考え、この5千億円もの公共投資において、皆さんの組織における「働き方改革」を推進しませんか。
KK2では、「チームで成果を引き出すための強み引き出し術」等の約300本の動画で構成している「しごと力向上ライブラリ」を提供していますので、この中から、チームで生産性を高めていくための動画を探してみるのは如何ですか。
【注】PB地方創生幸福度調査委員会2016(2万人)(委員長:明治学院大学 伊藤健二、メンバー:リクルートホールディングス、NTTデータ経営研究所、みずほ銀行産業調査部等、事務局:パイプドビッツ)
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