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メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第526号 2018年5月2日発行)by AVCC

無料で学べるKK2Webサイトの動画掲載本数 1429 本(4月26日現在)

上司の一言「新聞を購読しなさい、自分のお金で!」
~ 「AIが人類を超える」ことより「人間の後退」が心配です ~

久保田了司
一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)理事長
霞が関ナレッジスクエア(KK2)代表

 古い話で恐縮ですが、私が新入社員としてエレクトロニクスメーカーの配属先に出社した日、直属の上司より「日本経済新聞と電波新聞を購読しなさい、自分のお金で!」と最初のご指導がありました。「自分のお金で」と念を押されたのは、私が親元から出社しまだまだ親がかりの生活をしていることを見通されたのでしょう。
 「君が重要だと思ったニュースは?」「そのニュースは君の生活や仕事にどう影響すると思うか?」等々、翌朝から、矢継ぎ早の「口頭試問」が始まりました。起床してから出社までの間に二紙をくまなく読み、幾つかの出来事について深く考える通勤。新社会人には少々辛いしごと生活の始まりでした。

 しかしこの上司は二年で異動、私は「口頭試問」から解放され、内心ホッとしました。しかし、歳をとって振返ってみると、この二年間で、「毎日の社会の変化に関心を持つ」「社会の変化にどう対応するか自分の頭で考える」といった行動特性を身に付けることができたのだと思います。部下を持つ立場に変わったときには、毎日、部下育成の為に「口頭試問」を続けた上司に比べて、自らの情熱不足を恥じました。部下であった時は正直嫌だった上司ですが、今はひたすら感謝し尊敬し巡り合えたご縁に喜びを感じております。

シンギュラリティ(特異点)(2015年11月2日電通報より)
シンギュラリティ(特異点)(2015年11月2日電通報より)

 さて、AIが発達し、人間の知性を超えることによって人間の生活に大きな変化が起こるというシンギュラリティ(特異点)という概念が報道されています。指数関数的変化が加速して直線的変化を追い抜き、限りなく「垂直」に近くなる2045年問題ともいわれています。過日、シンギュラリティの研究会に参加する機会を得て、都内某大学生が対象のアンケート「あなたはニュース等社会の情報を何で得ていますか?」(複数回答あり)の結果を知ることができました。結果は以下の通りです。

  1. スマホ:100%
  2. テレビ:94.9%
  3. 本・雑誌:14.9%
  4. 新聞:7.7%

 スマホ:100%はさもあらんというところですが、新聞購読:7.7%には、ここまで少ないのかと衝撃を覚えました。スマホによるニュース購読は、LINEニュースを筆頭にSNSでの情報が大半を占めているとのことです。
 新聞が世の中のすべての領域をカバーしている訳ではありませんが、時間軸で切り取った社会の様々な変化を情報として伝えているのに対して、SNSでの情報は、個人の専門領域や関心のある領域、好きなこと、といった個人のフィルターをかけられた限定的な情報です。
 「AIが人類を超える」ことや、人間という生き物が社会全体を見渡すことよりも、自分の関心のあることに特化していく(私はこれを「後退」見ています)ことに、大きな憂いを感じています。

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