人生100年時代、年代毎にどの程度の人がキャリア展望できていると思いますか?
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伊藤健二
KK2産学官連携主席研究員 明治学院大学 学長特別補佐(戦略担当)
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経済産業省は「人生100年時代」を迎えるにあたり、自らのキャリアを切りひらいていく上で必要な3つの視点を加えた「人生100年時代の社会人基礎力」を定義しました。「個人が得られた経験を振り返り、自らの血肉(能力・スキルなど)にし、成長に繋げていく上では、社会の状況を踏まえた自分の強み/弱みを認識(自己認識)し、それを前提として、リフレクション(自らを振り返る機会、内省)を行うことが有効である」 とし、自らのキャリアを切りひらいていくには、リフレクションによる「気づき」が重要であることを示しています。
「人生100年時代の社会人基礎力」の概念(出典:経済産業省)
それでは実際に、社会人は自分自身のキャリアを展望できていると思いますか? 働き方改革研究センター調査(2.4万人)によると、年代毎・雇用形態別では、下図の通りになっています。キャリア展望は、男性全体平均では40代に向かって下がっていっておりますが、雇用形態別でみると、大きさも、増減も異なっています。皆さまのキャリアは如何ですか?
年代毎・雇用形態別キャリア展望(男性)(出典:働き方改革研究センター調査)
管理職は、全年齢を通して高いキャリア展望になっています。裁量労働型は、30代迄は高いキャリア展望ですが、40代で落ちつつも、50代になって展望を作っていくようです。いずれにせよ、管理職にみられるようなキャリア展望をどのように作っていくか、これは重要なポイントです。雇用形態も考慮した「リフレクション(自らを振り返る機会、内省)を行うことが有効である」ことなのかもしれません。では、どのようなリフレクションが、キャリア展望を明るくするのでしょうか。今回は、男性のデータで見ましたが、女性のデータについてはまた別の機会でご紹介できればと思います。
KK2では、社会人基礎力の再定義も参考にしつつ、こういったデータも踏まえて、「KK2キャリア相談室」、「アクティブ・シニアを応援」などを通して、キャリア展望を明るくする活動をしていければと思っています。
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