AI時代に、改めて「教育」と「問いかけ」について考える機会?
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伊藤健二
KK2産学官連携主席研究員
明治学院大学 学長特別補佐(戦略担当)
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5月末、6月末と教育のデジタル化研究会(KK2が提供するデジタルプレゼンテーションプラットフォーム(DPP)を用いて教育のデジタル化を研究する会)に参加し、改めて「教育」について考えています。「教育とはどういった活動なのか。」KK2としての考え方では、「知識の伝達」と比較して、以下の3点が特徴であるとしています。
「教育」とは、
(1)目標行動を明確にする。:学習者の目標行動を明確にします。
(2)学習者に行動させる。:講師は、例題を与えたり、問いかけをしたりすることにより、学習者に考えさせます。学習者は自ら行動することが重要で、受動的に説明を聴きノートを取るだけでは教育効果は少ない。
(3)目標行動をした学習者に「それでよいのだ」と伝える。:これはKR情報(Knowledge of Results)と呼ばれ、講師が学習者行動に対してKR情報を発することで、学習者はインスパイアされます。
この三点が「教育」の特長であり「知識の伝達」と違うところです。
皆さまは、どのように思われますか?こういった機会で問題提起されるときに、ひとまず立ち止まって、自分なりに考えてみることも良いかと思います。(2)の「学習者に行動させる。」において、どんな問いかけをしていくことが、学習の喚起、促進になるか、そして、(3)のタイミングで、学習者がインスパイアされることにつながるのか。教育のデジタル化研究会の中では、どんなタイミングでは、どんな問いかけが効果的か、問いかけの整理も話題になっています。学習者の視点では、問題意識を持つ、その知識を使って問題を解く、そしてインスパイアされて知識を活用しようと思うと、学習が進んでくるか。このように学習を促進させることを目的とした「問いかけの整理」は、時系列的にはDPPビッグデータの解析にもつながります。
毎月末に教育のデジタル化研究会を開催しています。DPPというツールを使いつつ、そんな本質的な課題を考えてみるのは如何ですか?ご興味ある方はお問い合わせください。
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