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メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第599号 2019年10月11日発行)by AVCC

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「主体的な学び」が求められている時代に、講義における効果は講義後にアンケートを取るだけですか?

伊藤健二
KK2産学官連携主席研究員
明治学院大学 学長特別補佐(戦略担当)

 平成30年6月に中央教育審議会でまとめられた「今後の高等教育の将来像の提示に向けた中間まとめ」では「個々の教員の教育手法や研究を中心にシステムが構築されるのではなく、学修者の『主体的な学び』の質を高めるシステムの構築が必要である」と言われております。
 これまでKK2で進めている教育のデジタル化研究会のテーマであるDPP(デジタルプレゼンテーションプラットフォーム)は、①納得度、②周囲との一体感が高まることを目的としております。ある講義の受講生毎(A~Kの11人)のアンケート回答は、講義に対する「納得度」も高い人は、「周囲との一体感も高くなっている」か、などが分かります。そして、全受講者11人分のスコアの平均としては、赤の「平均値」となり、この11人が受講した「講義の得点」となります。この講義の例では、納得度は高いが、一体感はやや低いといったことが分かります。こういった効果は、DPPを講義中に使った際の、「講義後」のアンケートで、①納得度、②周囲との一体感、を質問した結果です。


図:講義後のアンケート分析例(納得度×一体感、各5点満点)

 では、講義中にDPPを使って、どの程度、どんな質問をしていたか。DPPでは、講義中にアイスブレーク、ほどよいタイミングなど、学生の反応を複数設問で収集することが可能です。教育のデジタル化研究会座長である永岡慶三先生によりますと、20人以上など、一定規模の学生の反応をまとめて把握することに効果的であると仰っていました。(2019年10月17日動画公開予定


図:DPPを活用した講義中・講義後の分析例

 DPPの2つのKPIである、①納得度、②周囲との一体感は、DPPを用いてどんな質問をしていくと、この2つが高まっていくでしょうか。永岡座長からも、「教員はファシリテータに!」とまとめられていました。今後、教育のデジタル化研究会等でのDPPの実践において、ファシリテータの効果の指標や検証を進めていければと思います。

伊藤健二 伊藤健二
KK2産学官連携主席研究員
明治学院大学 学長特別補佐(戦略担当)

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