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メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第625号 2020年4月17日発行)by AVCC

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日本社会の行動変容 –今、一人ひとりが考える–

伊庭野基明
KK2グローバルキャリアカウンセラー

 1月末には、「ピークを先送りしている間に、医療体制等を準備する」と言っていましたが、病床、医療器具等、現況を見るにつけ、この2ヶ月以上の間いったい何を準備し何を行動していたのかと不思議に思います。

 拘束力を持たない、緊急事態宣言に関しても、諸外国から疑問が湧いていますが、パンデミックである以上、少なくとも日本の状況(できない、する必要がない)という事をデータ、証拠をもって説明すべき責任があると思います。これは、もともと国民にすら説明できていないのですから所詮無理(「特措法がそうなっている」は理由になりません)なのかもしれませんが、そもそも「都市社会学」の中で、マックス・ヴェーバーが、「城壁で囲んで外的に備えた都市国家の欧州・中国と比べて日本は例外だ」と言っているように、この国は危機への対処が難しい構造になっていて、実際たおやかな自然の国ではありますが、時として荒ぶる自然の驚異に対しては、我慢して過ぎ去るのを待つというマインドとなったのかもしれません。


(東大寺:令和元年夏 伊庭野基明撮影)

 この事態が収束に向かう事を心より願うばかりですが、世界史的には大災害、大戦禍の後は、哲学や世界観の変化が起きています。その意味で、今回、IT、メディア、グローバリゼーション、中国民族の大移動(1.5億人/2018年)といった要素が絡んだこのコロナ禍から人類は何を学ぶのでしょうか。

 日本では天平時代の天然痘災害(737年)での人口減、生産力低下への対策として、聖武天皇は、復興へのシンボルとしての大仏建立に加えて、働き方改革としての墾田永年私財法(743年)が発令されました。これを機に、日本社会の労働に対する概念は大きく変わったと言われています。

 今般の日本のコロナ対策の肝は、国民への「自主的行動変容」を求めている事ですが、この機会に、政治家も含め国民全員が、改めて日本社会のあり方、意思決定の仕方、社会の規範、働き方、仕事、自らの組織・地域への貢献などについて、一人ひとりが考えてみてはと思います。

 KK2のプログラムはほとんどがアーカイブされており、在宅でも視聴できます。今月から、しごと力向上ライブラリで「AI社会に求められるしごと力~行動力コンピテンシーの基礎と実践~」も上梓し始めました、是非ご活用ください。

伊庭野さん 伊庭野基明
1974年慶應義塾大学卒。日本IBM、リクルート、慶應義塾大学、外資金融機関等を経て、現在KK2グローバルキャリアカウンセラー(米国 GCDFキャリアカウンセリング資格)。一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)理事

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