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メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第627号 2020年5月1日発行)by AVCC

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「自国第一主義 vs. 国際協調」 –コロナ禍で明らかになった各国の対応力の違い–

久保田了司
一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)理事長
霞が関ナレッジスクエア(KK2)代表

 今世界は、国ごとに鎖国し、国ごとに新型コロナウイルス感染症対策を実施しています。経済より「人の命」を優先し、いち早く決断した国はパンデミック対応に成功し、他国の支援に乗り出そうとしています。一方、「自己都合 vs. 人の命」の狭間で迷い判断が遅れた国は、コロナ禍で悪戦苦闘しています。我が国も、昨年秋の消費増税や東京2020オリンピック・パラリンピック開催という自己都合にとらわれ、早期に合理的な決断ができませんでした。

 民主主義を掲げる人口約2,400万人の隣国台湾は、中国・武漢市で新型ウイルスが蔓延という情報を昨年12月につかむと、蔡英文総統は直ちに、同市から台湾入りするすべての航空機の検査を義務付け、疫病対策の指令センターを立ち上げ、最寄りの薬局で全国民がマスクを購入できる等、その迅速かつ積極的な対応力で感染拡大を抑え込み、感染確認者数約400名、死者は一桁台にとどまるという対応を見せました。

 また、感染が広がる中、ドイツの対応力を決定づけたのは、メルケル首相の国民に対する3月18日のスピーチでした。第二次世界大戦以来、初めて直面する深刻な危機と訴え、民主主義体制下だからこそ、一人ひとりの自律と連帯が必要なのだと語り、圧倒的な国民の支持を得て、社会全体の緊張度が急速に増しました。過去最大規模の経済支援政策が速やかに実行され、企業ばかりでなく、個人事業主やアルバイトたちが大挙してこの支援金を申請し、申請してからわずか二日後には、5,000ユーロ(約60万円)が振り込まれるという、生活者目線に立ったメルケル首相の判断で見事にパンデミックに対応しました。


(山梨県北岳のご来光:筆者撮影)

 台湾とドイツに共通することは、合理的な意思決定を下せるトップが国民からの信頼をしっかりと勝ち得ていることでした。パンデミック対応力で世界は明暗が分かれましたが、台湾・ドイツを見習い、またその助けを借り、暗を明に変えなければなりません。国境を越え人間と人間が連帯し、コロナウイルスとの共存の道を探り、感染拡大を防ぎながら、ビジネスをどう継続するのか一人ひとりが知恵を絞らなければなりません。自国第一主義を排し、「災い転じて福となす」ということわざのように、各国が、国際協調、自由貿易をより推進すれば、コロナウイルス後の世界経済がそれ以前よりも強くなる、是非そうした方向に向かって欲しいものです。

 コロナ禍でKK2はリアルな学びと交流を自粛、バーチャルなデジタル公民館活動に力を入れています。4月は「しごと力向上ライブラリ」を毎週一本新作公開し、「AI社会に求められるしごと力~行動力コンピテンシーの基礎と実践~」全4単元をリリースしました。今後の仕事と未来はどうなるのか、AI社会に求められる「行動力」について学ぶことができます。STAY HOMEの中、是非自己研鑽に励んでください。

■発行元:一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)霞が関ナレッジスクエア事務局
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