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メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第636号 2020年7月3日発行)by AVCC

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第2波が予想されるCOVID-19とどう「共生」するか?

久保田了司
一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)理事長
霞が関ナレッジスクエア(KK2)代表

 「COVID-19」で始まった令和2年も折り返し、これほど半年が速く感じたことはありません。レインボーブリッジはさておき「マイ・アラート」は真っ赤に点灯中です。罹患された方、不安の中で自粛・テレワーク・オンライン授業等でご苦労されている皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

 私事で恐縮ですが、40年程前「結核」に罹り、家族と離れ国立療養所中野病院(当時)で隔離された経験があります。正に青天の霹靂でした。定期健診で肺に影が見つかり、即刻入院させられ担当業務を解かれ休職しました。当時は「やるせない」気持ちでいっぱいでした。担当医師からは肺癌か肺結核のどちらかですと告げられ、治るのだろうか?治っても戻れるのだろうか?と、消灯後眠れない夜が続きました。幸いだったのは、カットされた賃金の約90%を健康保険組合が補償し家族が生活に困らなかったこと、225日に及んだ入院費用の本人負担額が僅か5万円だったこと、職場で団体加入していた生命保険の入院給付金が120日間支給されたことです。今日の自分があるのは、この転機を乗り越えたお陰であると感謝しています。

 このグラフは、日本人の主要死因別死亡率(人口10万人対)過去120年間の推移です。第二次世界大戦中の集計が途切れていますが1939年~1949年の間、日本人の死因第一位は「結核」でした。しかも感染者は青年に多く「亡国病」と呼ばれていました。1945(昭和20)年8月に敗戦を迎え国土は焦土と化し、国民は疲弊し栄養失調の中で、結核は急速に拡がり、死亡率も極めて高かったと考えられます。占領軍総司令部は結核を含め感染症対策を積極的に指導援助し、公衆衛生対策が強力に進められました。1948(昭和23)年にはBCGを含む予防接種を法制化し、BCGは生後6ヶ月以内と30歳になるまで毎年ツベルクリン反応陰性者には接種することとされました。国民は、外出から帰ったら必ず手洗いうがいをする生活習慣を身に着けました。1950年代、1960年代とこの対策が功を奏し結核による死者は激減、しかし人類は結核を撲滅したのではなく現在も「共生」していることを肝に銘じなければなりません。1918年~1920年の赤いピーク「肺炎」とあるのは、「スペイン風邪」です。20世紀最悪のパンデミックとされ、死亡者数は全世界で4,000万人ともいわれています。数年で終息したのは、世界規模で猛威を振い、死者も甚大になった一方で、生き残った人は抗体を獲得して、集団免疫を形成することによって減少し、収束したと言われています。スペイン風邪と人間が折り合いを付けた(共生)とも言えます。

 AI社会が進展する2020(令和2)年、人間は「COVID-19」によるパンデミックと遭遇しました。多くの場合は症状が出ないようです。症状が出る場合も大半の人は咳や発熱などの軽症で終わります。多くの人は感染しても気づかないため、感染が急速に広がる恐れがあります。自分が感染しているかもしれないという前提で、周りの人への「思いやり」が大切です。お互いの「思いやり」で「COVID-19」とどう「共生」するかが今私たちに問われています。

■発行元:一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)霞が関ナレッジスクエア事務局
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