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メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第651号 2020年10月16日発行)by AVCC

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「であること」から「すること」へ
 -官も民も皆が変わる社会-

伊庭野基明
KK2グローバルキャリアカウンセラー

 福沢諭吉は、「幕藩体制は親の敵(かたき)」(1899 福翁自伝)と言い、藩や身分で固定された社会から、個人の行動力で仕事が評価される社会を良としました。又戦後には、社会学者の丸山真男が、これを「『であること』と『すること』」(1961 日本の思想)と言い、自己が属する組織を守り、内で安住することから、特技、役割、意欲を持つ自立した個人が課題解決に向け行動し、互いに担いあう社会への変容を説きました。

メッセージfrom KK2第649号で久保田代表から「国と地域のIT化の遅れは、失敗を恐れ課題を先送りするリーダー達」との意見がありましたが、日本のリーダー達は100年経っても福沢、丸山の指摘に学ぶことができなかったようです。IT 化についても、タテ割り組織においては、ハードウエア開発はモノマネとカイゼンでなんとかできても、ソフトウエアや利用技術といったヨコ連携や、個人の創造性が必要な分野では、諸外国に後れを取ったということでしょう。更にリーダーと集団の関係については、社会人類学者の中根千枝が、「平等的、安住的な集団での、リーダーのディレクターシップの欠如」(1967 タテ社会の人間関係)と言っており、日本的リーダーは個人の実行力よりも集団内での包容力、調整力を重視、優先してきました。あくまで私見ですが、豪族間の「和と話し合い」で国をまとめた聖徳太子の時代からのDNAが日本文化の底流には脈々と流れているのかもしれません。


「和を以て貴しとなす」法隆寺朱印(令和元年8月筆者撮影)

 さて、先月号での「首相に必要なコンピテンシー」のアンケート結果では、「実行力」が20%で第一位となっており、国民目線での社会課題のあぶり出しと解決にあると存じます。しかしながら、公や官の行動変容を期待するには、民つまり個々人がまず自分の頭で考えて自立した行動ができる事が求められているのかもしれません。KK2では、タテ割り組織の枠を超えて、直接社会とつながる学びの機会の創造を続けてきています。「自助」「共助」「公助」と菅首相も言われている通り、先進ITの利用で、リアルとオンラインのハイブリッドの学びの仕組みも更に充実し、これからも皆様と「共に考え、共に学び、共に担う社会」を目指していきたいと思います。

伊庭野さん 伊庭野基明
1974年慶應義塾大学卒。日本IBM、リクルート、慶應義塾大学、外資金融機関等を経て、現在KK2グローバルキャリアカウンセラー(米国 GCDFキャリアカウンセリング資格)。一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)理事

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