メールマガジンヘッダー

メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第675号 2021年4月5日発行)by AVCC

無料で学べるKK2Webサイトの動画掲載本数 1,727

17年ぶりに改定!富士山噴火ハザードマップ
-科学的に行動し、神仏に手を合わす-

久保田了司
一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)理事長
霞が関ナレッジスクエア(KK2)代表

 COVID-19と人間の共存は出口の見えない鬱々とした日々が続いています。そうした中、山梨、静岡、神奈川3県などでつくる「富士山火山防災対策協議会」は、富士山の噴火による災害予測地図(ハザードマップ)を17年ぶりに改定しました。新マップで溶岩流が到達する可能性のある地域は、山梨、静岡両県15市町村から神奈川県を加え3県27市町村に増加。到達時間は、最短で神奈川県は相模原市緑区が9.5日、小田原市が17.2日、静岡県は沼津市が18時間、静岡市清水区が19.4日、山梨県は大月市が1.5日、上野原市が6.4日となっています。交通機関では、東海道新幹線に5時間、新東名高速道路には1時間45分で達すると予測しています。

 この報道を受け私の脳裏には、1990年公開の黒澤明監督映画『夢』の中の「赤富士」の映像が鮮烈によみがえりました。 「・・・大勢の人々が逃げ惑っている。目の前では赤く染まった富士山が大噴火を起こしている。原子力発電所が爆発したという。放射性物質が人々に迫ってくる。海岸の方に逃げたがさらに恐ろしい光景を目にする。切り立った断崖から人々が次々に身投げしていく。カラフルな色をした放射能が迫ってくる・・・(筆者によるあらすじ)」この映像はDVD化されています。関心のある方は是非一度ご覧ください。30年前に黒澤明監督が描いた『夢』が、2011年東日本大震災の津波により起きた原発事故で正夢になってしまいました。参照:メッセージfrom KK2第598号(2019年10月4日発行)

 有史以降記録に残る富士山の噴火は、781年(奈良時代)以降17回、最後の噴火は1707年(江戸時代)の宝永大噴火と言われています。その後300年は平穏を保っていますが、1000年の間に17回噴火した火山がいつ活動を再開しても不思議ではありません。富士山噴火というリスクに科学的に向き合い、且つ神仏に手を合わせたい心境です。


写真:富士山を望む権現岳の檜峯神社には八雷神と磐長姫が祀られる 筆者撮影

 神話をひも解いてみると、噴火を鎮めたとされる木花咲耶姫(このはなさくやひめ)は富士山山頂(浅間神社)に祀られ、一方雲海を挟んで向かい合う権現岳山頂(檜峯神社)には木花咲耶姫の姉、磐長姫(いわながひめ)が祀られています。木花咲耶姫は、絶世の美女、桜のように華やかだが桜のように咲き桜のように散る、美人薄命の神様でした。一方磐長姫は、醜いがその命は岩のように長く栄える。見た目の美しさは歳を重ね衰えるが、心の美しさは歳を重ね衰えることは無い、真の豊かさを持つ神様でした。権現岳山頂(檜峯神社)で手を合わせ磐長姫の御利益にあやかりたいものです。

 KK2は地域のレジリエンスを高めるデジタル公民館™活動を粛々と進め科学的行動を促し、皆さまと共に考え、共に学び、共に担う社会を目指したいと思います。ご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。

■発行元:一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)霞が関ナレッジスクエア事務局
〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-2-1 霞が関コモンゲート 西館ショップ&レストラン 3F
電話:03-3288-1921 FAX:03-5157-9225
■Webサイト:
一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)
KK2 Webサイト
KK2 Facebook
KK2 YouTubeチャンネル
KK2 Twitter

霞が関ナレッジスクエア(KK2)は学校教育や企業研修では教えていない「しごと力」をいつでも、どこでも、誰でも学べる場を提供することを目的に、一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)の公益目的事業として運営しております。