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メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第679号 2021年4月30日発行)by AVCC

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シーソーに跨るCOVID-19と人間~一休禅師の「遺言」を読む~

久保田了司
一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)理事長
霞が関ナレッジスクエア(KK2)代表

 東京、大阪、京都、兵庫の4都府県は、2020年4月と21年1月に続き3度目となる緊急事態宣言発令下、その他地域もCOVID-19パンデミック下で2度目のゴールデンウィークを迎えました。

 昨年春以来ウォッチしている「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」では科学的な解説がなされ、イギリス型変異ウイルスの感染力が従来のウイルスより70%程度強く、変異型ウイルスの致死率は、従来のウイルスと比べ1.3から1.9倍程度高い可能性があると警鐘を鳴らしています。


図:対策とウイルスのシーソー(「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」より)

 ウイルス対策はシーソーに例えられますが、国民の努力や行政による対策とウイルスの感染力・病原性のバランスを見ると、前者が重ければ「収束」に、後者が重ければ「感染拡大」につながります。イギリス型変異株が主流を占めるようになるとグーンと重くなり、対策をもっともっと強くすることが求められ、これまでの努力や現在の対策のままでは太刀打ちできなくなります。憂慮すべき事態に正直愕然としております。

 話は変わり過日散歩中、近所の寺の掲示板に目が止まり思わず立ち止まりました。


写真:祐天寺境内の掲示板(4/25筆者撮影)

 調べてみると、童話でおなじみの臨済宗大徳寺の住職一休禅師が晩年弟子に一つの箱を手渡し、「仏教が滅びるか、大徳寺がつぶれるかというような一大事が起きたら、この箱を開けなさい」と遺言したそうです。歳月が過ぎ、大徳寺の存続に関わる一大事が持ち上がり困り果てた時、一休禅師の遺言を思い出した弟子たちが集まり、箱を開けることにし中にあった、たった一枚の紙、そこに書かれていたのが『大丈夫 心配するな 何とかなる』だったと言うのです。

 私は、この言葉「心配するな 何とかなる」は単なる楽観や余裕ではなく、その前に、「やるべきことをやろう!そうすれば・・」や「できることを精一杯やろう!そうすれば・・」という前置きが含まれているのではと強く感じました。

 これまでの国民の努力や行政による対策は論理的でなく不十分ですが、過ぎたことは悔やんでも仕方ありません。変異型ウイルスの脅威と重みにしっかり向き合い、国民と行政が一丸となって自分たちにできることを一つ一つ積み重ねていくこと、科学的な賢い行動を続けることが不可欠です。早晩行われる選挙では、危機意識を持ち確固たる自分の考えを自分の言葉で話せる人を選べば、事態は解決に結び付くということを、一休禅師の「遺言」は教えてくれているように感じるのです。

 KK2は地域のレジリエンスを高めるデジタル公民館™活動を粛々と進め科学的行動を促し、皆さまと共に考え、共に学び、共に担う社会を目指したいと思います。ご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。

■発行元:一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)霞が関ナレッジスクエア事務局
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