コロナ禍で考えたこと、学んだこと ―変化への適応とリスクとの折り合い―
デルタ株流行の急減を含め、コロナの真相は不明のままですが、「第6波」を覚悟して、十分な防御策、治療法が整うまで、もうしばらくの我慢でしょうか。一方、社会活動の再始動にあたっては、リモートワークなど、この変化の下で導入、普及した仕組みを取り込んで、「はたらくをよくする」につなげていければと思います。
さて、毎度私事で恐縮ですが、1年以上のコロナ禍在宅での前半戦は、何が起こっているのか、これからどうなるのだろうかといった事を考えていて、7月16日開催の「コロナ禍を未来に生かす防災八策」では、失敗から学んで更に成長しようという「アンチフラジャイル」についてお話する機会をいただきました。コロナ禍で、世界も日本もそれぞれの脆さ(フラジャイル)を露呈しましたが、今後の学びや行動の中では、変化へのしなやかな対応というレジリエンスに、リスクを乗り越えるアンチフラジャイルを加えて、変化への対応の2本柱としたいと考えています。
過日KK2からは「デジタル活用力チェック (DKC) 」の第2版がリリースされましたが、コロナ禍在宅での後半戦では「見えないコロナに戦っているのは、見えない人の心だな」と、今度は人の心やコンピテンシーについて改めて考えました。KK2では長年、しごと力のコンピテンシーについて取り上げて、社会で活躍するエキスパートのしごと力を考えたり、学んだりする機会に活用してきました。コンピテンシーは、単にスキルを分析するに留まらず、変化への対応力を考える手立てになります。そのコンピテンシーを測定し可視化するツールとしてKK2では、コンピテンシー・チェックを提供しており、今般のデジタル活用力チェック(DKC)は、デジタル社会の変化への対応力の可視化ツールと言ってよいもので、デジタル化社会で生きる人の心の準備にも寄与するはずです。
人類は、長い歴史の中で、変化に適応してきました。例えば、自動車の普及とともに、人は運転コンピテンシーを身に着け、それを測定して免許を作り、同時に信号機などのインフラ、交通規則の整備を進めました。交通リスクはゼロにはなりませんが、試行錯誤を通して折り合いの制度は作られました。振り返って、足下のコロナ、気候変動、デジタル化に対しても、人間はその心やコンピテンシーを適応させると思いますが、これら変化のリスクと折り合い、制御することで、自動車と共存できたように、コロナや自然災害との共存を目指すのだと思います。
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