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メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第714号 2021年12月31日発行)by AVCC

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★ 今週号は「KK2アドバイザリーメンバー」からの特別メッセージです!

現代社会は『今』宗教が必要

柴田 文啓
臨済宗妙心寺派 恵日山 開眼寺 住職

 世界中の国々が、コロナ渦と戦っている。コロナ撲滅に向かって、お互いに情報を交換し、医薬品を融通しあっている。一つの敵に対し地球上の多くの国が、一致団結して戦っている。政治思想や経済体制を異にする国々といえども、この協力体制は価値の多様化が急速に進む現代社会においてまことに貴重な統一戦といえよう。反面、このコロナ禍は現代社会の脆弱性を示すと同時に協調性の重要さを我々に示したのではないか。

 我々人類は『今』科学技術を総力で追求し進化させている。平凡な私の脳では理解できない高度技術が次から次にと登場して日々の関心を集めている。 それなのに、人間の歴史の最古から我々を苦しめている病原菌との戦いに、かくも甚大な被害を呈してしまったことに大いなる反省が必要と思う。


2019年 開眼寺にて

 何事も前進することは楽しい。山に登ることに心は踊る。しかし我々はこの楽しい心と同時に常に振り返る心が必要である。それを示してくれるのが宗教である。科学技術の進歩と、その御旗のもとに繰り広げられる烈しい開発競争はこの大切な宗教というものを隅に追いやってしまった。このような世相の『今』に強く求められているものは、真の宗教といえる。宗教が宗教であることの意義は、宗教的精神、すなわち宗教心でありそれに基づく行いである。人間の本質は三千年前も今も変わらぬものである。科学技術の進歩に陶酔している現代社会の『今』こそ真の宗教が求められている。宗教を職業としている人だけの問題ではなく、地球上のすべての人が、宗教を学び日々の生活や仕事にその教えを生かして行くことが求められている『今』である。

【KK2プログラム 柴田文啓氏ご登壇動画】

柴田 文啓
1934年 福井県福井市生まれ。福井大学工学部卒業。横河電機株式会社に入社。ユーゴスラビアでの工場建設や、医療機器の新規事業立ち上げなどに従事。その後ゼネラル・エレクトリック (GE) 社との合弁会社である横河メディカルシステム株式会社常務取締役、横河電機株式会社取締役、横河アメリカ社社長を歴任。役員退任後、アメリカのNGO「Project HOPE」日本支部代表として、東南アジアを中心に医療支援活動を行う。2000年に得度・出家し、滋賀県の臨済宗 永源寺 専門道場に入り、1年3ヶ月修行を積み、2001年 長野県千曲市 臨済宗妙心寺派「開眼寺」住職に着任。2019年、花園大学文学部仏教学科に入学。哲学や宗教について学んでいる。

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