経済効果を実現する「リスキリング」とは?何を学ぶとバリューアップするか?
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伊藤健二
KK2産学官連携主席研究員
三幸学園 理事長特別補佐(戦略担当)
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高度なスキルを持つ専門職は2030年までに全世界で8千万人が不足をすると言われており、世界経済フォーラムでも「リスキリング革命の実現」が提唱されています。世界経済フォーラムやPwCの試算によると、その不足を解消すると、世界のGDPが5兆億ドル底上げするとも言われており、リスキル(学び直し)は重要となっています。
PwCでの第23回世界CEO意識調査の結果では、下図のように言われており、リスキルに取り組んでいる企業では、「エンゲージメントの強化、労働生産性の向上、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速」といったことなどにおいて効果があります。皆さまの組織、皆さま自身のリスキルでは如何ですか。
 アップスキリングの効果、進展している企業では大きな成果がでている
出典:PwC「第23回世界CEO意識調査」、n=1,581名
内閣府の3万人調査では、「リカレント教育の実施者は1割以上収入が増加する効果があり、生産性向上のために促進すべき」との「今後の政策面の課題」とまとめています。「今後の仕事をよりよく行うために、職場等の人と現状ないし過去の仕事を振り返り、話し合う機会を持っている」等の職場環境があると、「リカレント教育の効果が発揮されやすい」などの分析結果もあります。
政府では、「DX人材育成に3年で4千億円が投じられる経済対策」になっています。生産性を高めるDXとは何でしょうか。皆さまの職場環境における振り返りの場ではどのように考えられていますか。経済産業省の定義では「ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」とあります。様々な分野に、どのようなデジタルツールを活用すると、どのような価値創出(バリューアップ)が実現できるのでしょうか。「生産性、ウェルビーイングを高めるDX」を問い続けていくことが重要かと思います。
KK2でも、デジタル活用力(DKC)を自ら測定もできます。職場での振り返り、話し合いにおいて設定された、「業務上などにおけるテーマ、課題」に対するデジタル活用力だけでもよいかと思います。業務上で、何らかな工数削減などの課題に対して、何らかなデジタルツールの導入を考えている場合、そのテーマの関連部分だけでの測定で良いかと思います。目の前の地道な課題に対する、簡単なデジタル活用で、効果を確認していきながら、大きなバリューアップを考えていきませんか。
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