日本はアジアのスイスを目指すか?-観光&防災立国という国のかたち―
毎年11月に公表されるIIE(Institute of International Education:非営利法人 国際教育協会)のOPEN DOORS「米国への海外からの留学生」調査の2021年版のご紹介(コロナで減少傾向だが、傾向は変わらず)が遅くなっていたので準備していると、脇のテレビで「安比高原に英国系インターナショナルスクールが今夏に開校」とのニュースが流れてきました。安比高原は昔よくスキーに行ったので気になって調べてみると、定員900名(11歳~18歳)で、大半が海外からの生徒との事です。蛇足ですが、麻布台地区には2023年に、700名規模の英国系インターナショナルスクールが開校予定です。日本では海外留学しても、その経験を生かす風土がないガラパゴスのような閉鎖系、つまり国際環境での教育は他人事だと見る視点、他方、観光魅力度世界一となり、今後増えるインバウンドでスイスのような観光立国を目指すという視点では、人間的には表面的なおもてなし交流だけに留まると指摘する向きもあります。
さておき、スイスは観光で有名だけでなく、兵役に変えて防災訓練を選べること、災害保険の充実、シェルターなど十分な災害準備を持つこと等などが、「防災福祉先進国」(川村匡由著:旬報社)に紹介されていることを最近知り、観光と防災といったキーワードが今後の日本のかたちを考えるモデルになるかとも思いました。
KK2では、昨年来、「明日はどうなる!令和の日本」、「日本をこう変える」などの講演会、クロストークプログラムを開催し、今後の日本の国のかたちについて、皆様と共に考えました。また、メッセージfromKK2第736号では、江戸時代の日本の教育レベルの高さに触れ、変わりゆく世界の中で、今、日本人は何を学ぶかについても考えました。「国のかたち」は今後を生きる我々にとって重要ですが、「防災」は足元の、「今ここにある危機」です。その防災についても、7月23日に鎌田修広講師による「愛の見える化から始める防災準備」が開催されます。皆様の参加をお待ちしております。
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