学び直し/リスキリングして成果をだす2歩とは?文部科学省でのリスキリングの調査結果?
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伊藤健二
KK2産学官連携主席研究員
三幸学園 理事長特別補佐(戦略担当)
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「リスキリング/学び直し」がメッセージfrom KK2第754号でも取り上げられましたが、何をどう学ぶといいのでしょうか。
学ぶ対象を探すにあたっては、ちょうど、文部科学省が運営している「マナパス」には、文部科学省事業のDX等の成長分野のプログラム(35件)、日本の全大学のBPのプログラム(約300件)が紹介されています。無料での受講生募集をしているものもあります。このサイトは、各大学でのプログラムのページにリンクされています。各プログラムのページまで閲覧されますと、テーマ別の講師、オンライン等の学習方法、などが分かります。そして、マナパスの新規会員登録では、「希望する学習条件、学習分野」が登録できるようになっているので、受講生募集がされていなかったとしても、今後案内がされてくる可能性もあるので、登録してみては如何ですか。
実際に学習をしたい場合には、gacco等のMOOCでは、京都大学、早稲田大学等の大学、google等の企業がDX関連のテーマの講座を無料で開講しています。「受講期限もあるので、登録をしたが、結局最後までは学習が進まなかった」などの声もよく聞きますが、ひとまず、学習をしたということも重要な一歩かと思います。
次の一歩は学んだことの活用です。学んでも、どう現在の業務に活かすか、もしくは自分のキャリアに活かすか、と活用方法が分からないといったこともよく聞きますが、一般的には「どういった程度、どういった成果」が得られているかについては、文部科学省のリカレント講座に関する調査があります。修了証の取得だけではなく、業務が短時間にこなせる、難易度の高い業務に取り組める、年収が増加、などの成果を得ているようですが、これらの数値を皆さんはどのように解釈しますか?
図「どのような業務・処遇・キャリア上の成果が得られたか(複数回答可、3つまで)」
(文部科学省、令和2年度「大学等におけるリカレント講座の持続可能な運営モデル構築に関する調査研究」調査報告書、P.21)
第一歩として何か学びはじめ、第二歩として業務にうまく活用する人(40.8%)は、学習修了(23.5%)よりも多くいる、ということが分かります。ここに、業務において成果を出していくことが見えませんか!
メッセージfrom KK2第754号の通り、岸田政権では5年間で1兆円のリスキリングへの投資がされます。また、google社は、日本においてデータセンター開設、デジタル人材育成等に3年で1千億円を投資すると宣言されています。上記のような様々な学習内容も考えつつ、活用方法も文部科学省の調査研究の結果も参考にしながら、どういったリスキリングをしていくと、皆さん自身のスキルアップ、キャリアアップ、年収アップ等のバリューアップの成果につながるか、「雲を突き抜けたその先には青空が広がっている」世界に向けて、考えていければと思います。
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