★ 今週号は「KK2アドバイザリーメンバー」からの特別メッセージです!
現代社会は、宗教が必須
私は、信州の開眼寺という小さな禅寺の住職をしています。旧善光寺街道に接している寺歴350年の無檀家寺です。近所の農家の方々が今獲れた野菜を脇にかかえて「観音さんにどうぞ」と来られます。家庭内のいろいろな相談事ももってこられます。コロナ禍前は毎週土曜日に坐禅会を開いていました。コロナ禍が落ち着きましたら再開しようと思っております。
我が国は仏教文化を持った国といえます。私達の先祖は、熱心に仏教を学び、1500年の歴史をかけて素晴らしい仏教文化の国を造ってくれました。明治初期に天皇制を再興しようとして、廃仏毀釈政策が行われましたが、人々の心に深く信仰されていた仏教は、潰れませんでした。また、日本の仏教は儒教の思想が入っており、仏壇の中に亡くなられた親族の方々の位牌が並べられています。この「亡者親族礼拝仏教」は今も日本の地方では根強く信仰されています。
しかし、第二次世界大戦後、我が国において、宗教教育というものが完全に学校教育から外され、その結果、宗教に対する関心が薄れてきました。特に都会では顕著です。また、政府も経済発展に重点を置き、心の大切さに気が回らなかったのでしょう。これはいけないということで、その後道徳教育が復活し学校の授業に取り入れられました。しかし、時代の流れを止めるまでにはなりませんでした。残念ながら、多くの若い人々は宗教に対して無関心になってきております。
私はこの事態を大変心配しています。人生は順調な時ばかりではありません。悩み苦しむときも多くあります。このような時、この問題の相談に乗り、解決してくれるのも宗教です。科学技術が進歩すればするほどに、真の宗教の重要さが求められます。両者の相互理解、相互信頼が必要な時代です。両者のあり方について、科学者と宗教家とが一緒になって話し合い、お互いの理解の基盤に立って、両者は各々の道の追求に尽力すべきが「今」求められる大切なことではないでしょうか。
【柴田文啓さんご登壇動画】
2022年8月23日開催 法話&クロストーク「どう生きるか ~自ら考え、行動する時代~」AVCC名称・定款変更記念で「どう生きるか」と題してお話ししていただきました。
【霞が関坐禅会を2023年3月に開催予定】
2023年3月9日(木)に霞が関坐禅会の開催を予定しています。柴田文啓さんにもご登壇いただく予定です。(詳細は、決まり次第お知らせします)
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