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メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第766号 2022年12月30日発行)by AVCC

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★ 今週号は「KK2アドバイザリーメンバー」からの特別メッセージです!

現代社会は、宗教が必須

柴田 文啓
臨済宗妙心寺派 恵日山 開眼寺 住職

 私は、信州の開眼寺という小さな禅寺の住職をしています。旧善光寺街道に接している寺歴350年の無檀家寺です。近所の農家の方々が今獲れた野菜を脇にかかえて「観音さんにどうぞ」と来られます。家庭内のいろいろな相談事ももってこられます。コロナ禍前は毎週土曜日に坐禅会を開いていました。コロナ禍が落ち着きましたら再開しようと思っております。

 我が国は仏教文化を持った国といえます。私達の先祖は、熱心に仏教を学び、1500年の歴史をかけて素晴らしい仏教文化の国を造ってくれました。明治初期に天皇制を再興しようとして、廃仏毀釈政策が行われましたが、人々の心に深く信仰されていた仏教は、潰れませんでした。また、日本の仏教は儒教の思想が入っており、仏壇の中に亡くなられた親族の方々の位牌が並べられています。この「亡者親族礼拝仏教」は今も日本の地方では根強く信仰されています。

 しかし、第二次世界大戦後、我が国において、宗教教育というものが完全に学校教育から外され、その結果、宗教に対する関心が薄れてきました。特に都会では顕著です。また、政府も経済発展に重点を置き、心の大切さに気が回らなかったのでしょう。これはいけないということで、その後道徳教育が復活し学校の授業に取り入れられました。しかし、時代の流れを止めるまでにはなりませんでした。残念ながら、多くの若い人々は宗教に対して無関心になってきております。

 私はこの事態を大変心配しています。人生は順調な時ばかりではありません。悩み苦しむときも多くあります。このような時、この問題の相談に乗り、解決してくれるのも宗教です。科学技術が進歩すればするほどに、真の宗教の重要さが求められます。両者の相互理解、相互信頼が必要な時代です。両者のあり方について、科学者と宗教家とが一緒になって話し合い、お互いの理解の基盤に立って、両者は各々の道の追求に尽力すべきが「今」求められる大切なことではないでしょうか。

【柴田文啓さんご登壇動画】
2022年8月23日開催 法話&クロストーク「どう生きるか ~自ら考え、行動する時代~」AVCC名称・定款変更記念で「どう生きるか」と題してお話ししていただきました。

【霞が関坐禅会を2023年3月に開催予定】
2023年3月9日(木)に霞が関坐禅会の開催を予定しています。柴田文啓さんにもご登壇いただく予定です。(詳細は、決まり次第お知らせします)

柴田 文啓
1934年 福井県福井市生まれ。福井大学工学部卒業。横河電機株式会社に入社。ユーゴスラビアでの工場建設や、医療機器の新規事業立ち上げなどに従事。その後ゼネラル・エレクトリック (GE) 社との合弁会社である横河メディカルシステム株式会社常務取締役、横河電機株式会社取締役、横河アメリカ社社長を歴任。役員退任後、アメリカのNGO「Project HOPE」日本支部代表として、東南アジアを中心に医療支援活動を行う。2000年に得度・出家し、滋賀県の臨済宗 永源寺 専門道場に入り、1年3ヶ月修行を積み、2001年 長野県千曲市 臨済宗妙心寺派「開眼寺」住職に着任。2019年、花園大学文学部仏教学科に入学。哲学や宗教について学び、2023年春卒業予定。

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