DX時代を先取りする新しいデータ活用・ビジネスモデル事例のご紹介
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平田英世
一般財団法人AVCC 理事
元 富士通株式会社 シニアアドバイザー
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皆さん、こんにちは。私は昨年よりAVCCの理事となりました平田と申します。今回はDX時代の話題提供として、デジタル情報の蓄積とその活用に関するお話をさせていただきます。2月24日に日経ホールで開催されたリーガルテック展2023のご紹介とそのベースとなる技術についてご紹介させていただき、今後のDXの推進や新たな事業展開についてご参考にしていただければと思います。
リーガルテック展では主に知財戦略についての事例紹介や知財の重要性についての議論が中心ではありますが、その中で鯖江商工会議所の取り組みを取り上げてデジタル情報の活用と新しいビジネス戦略について考えたいと思います。

鯖江商工会議所 SABAE CREATIVE COMMUNITY 写真提供:ふーぽ様
詳細はリーガルテック展2023レポートや鯖江商工会議所のホームページを参照いただければわかりますが、私が理解したポイントは以下の通りです。
鯖江商工会議所では眼鏡の製造技術をデジタル情報として蓄積し、それらの情報をAIの活用によって、多様化する消費者のニーズに合わせた製品開発につなげることで売り上げ拡大を狙ったという事例です。ここで着目したいのは様々な形の技術情報をデータプールとして蓄積し、情報によっては形式などが異なる個々の情報をAIによって横断的に活用できるようにしていることです。眼鏡の製造は1社だけで行えるものではなく、複数の企業の協業によって行われるそうですが、複数の企業の技術情報を一元的に集めて活用するといったことがベースとなり、新たな価値を創造できるようになったそうです。
これまでは形式の違う情報を一元的に管理することは情報処理技術をもってしても簡単ではなかったと思いますが、AOSデータ株式会社が提供するAOS IDXというサービス(機能概要は次の3つです。(1)全てのデータのクラウドへの自動保存機能、(2)業界別DXシステムをAPI連携で短期間で構築できる機能、(3)セキュアなデータ共有機能)を導入し実現しているということで、世の中にはそういったデータドリブンの新しいビジネスチャレンジが行われつつあるという一つの事例ではないかと考えます。また、鯖江商工会議所では技術情報をグローバルに活用させ、知財ビジネスへの発展も実現しているとのことです。データ分析や活用に関しては上記でご紹介したデータドリブンDXをサポートする企業などの支援を得ながら構築可能と考えます。
紙面が限られていますので、詳細にはご説明できませんが、DX時代の新しいビジネスモデル、およびそれらを支える新しいデータプラットフォームといったことが少しご理解いただけたでしょうか?
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