AI時代に生きる日本人と日本社会-新たなテーマを考える時-
私事で恐縮ですが、2000年頃から、それまでの海外勤務経験を元に「日本人と日本企業のグローバルサポート」をテーマに活動をしてきました。当時は、冷戦終結後ほぼ10年が経ち、資本主義陣営を中心に前向きなグローバリゼーションが進みだしていました。しかし、日本では「失われた10年から20年」と呼ばれる不況が続いており、多くの日本人と日本企業が苦しんでいましたので、私は、これらの日本人が(先進する)グローバルな世界をどう生きていくかをキャリア人生後半のテーマにしようと考えました。大学時代の恩師からのアドバイスもあり、工学系出身者である私に欠けていたリベラルアーツの知識を追加&リスキルして、日本人と日本社会の今とこれからについて、ここKK2のメッセージやライブラリでも折に触れてご紹介してきました。特に「しごと力」については、キャリア、レジリエンス、コンピテンシー、アンチフラジャイルといった切り口で、グローバル社会でどう生きていくかについて取り上げ、更に実践の場として「KK2キャリア相談室」を設置し、長年皆様にご利用いただいてきています。
しかし、約四半世紀経ち、ここ数年はトランプ、ウクライナ、COVID-19と、グローバルも時計の針が反転したかの如くグローバリゼーションも変化してきました。私の中では、「ITとグローバリゼーションでの社会進化」と言っていた世界観の崩壊と言う状況に陥っていました。しかし、先の5月26日の「デジタルTERA小屋」で山本龍彦先生のお話しを伺い、アテンション・エコノミーの過剰高速化に、動物的刺激への反応を強奪される人間は、意識して情報の偏食を制御しつつ、「情報的健康」を目指して「免疫」を獲得する行動をとる必要があるという、人間社会の危機とその処方箋のお話し等伺い、「AI時代に生きる日本人と日本社会」という新たなテーマを考える時だと思いました。なお、次回のデジタルTERA小屋(7月5日開催予定)では福島県の農業家 設楽哲也さんをお迎えして、「野菜を伝える、野菜で伝える ~田畑は人も育つ場所~」をテーマにお話を伺いますので是非ご参加ください。
来週に干支6周目を迎える私ですが、新たな境地で、この大きな変化を受け止めて、皆様と共に考え、共に学び、共に担う社会へと行動していきたいと思います。
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