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メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第797号 2023年8月4日発行)by AVCC

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「猛暑」「気候変動」とどう向き合うか!

久保田了司
一般財団法人AVCC 理事長
霞が関ナレッジスクエア(KK2)代表

 私事で恐縮ですが先日、八ヶ岳連峰の権現岳(標高2,715m)山頂岩峰直下に祀られている小さな祠「檜峰神社」に参拝しました。参拝といっても登山口(標高1,530m)から約1,200m上昇するれっきとした登山、今まで何度も登ったルートですがコロナ禍もあり数年振りとなった今回、大きな山の変化を体感しました。

 かつては早朝涼しく、盛夏でも一枚着込んで登山を開始していたのですが、今回温度が高く歩き始めて10分でシャツは汗だく、湿度が高く汗が乾かない、初めて体験する高温多湿での山行となり、「猛暑」は都会だけではないことを感じました。また線状降水帯が何度もこの付近で発生し、大量の雨水を山肌が吸収しきれず登山道を激流となって下ったようで、登山道が深く掘れて雨どいのように変わっていました。登山道の急なところには大きな段差が幾つもでき、緩やかな部分には石ころがたまり浮石だらけ、この数年で登山道から山体崩壊が始まっていると感じました。昨年より今年、今年よりも来年、私たちの生活を脅かす「猛暑」「気候変動」を、山梨・長野県境の大自然に囲まれた山岳地帯でも目の当たりにすることとなり愕然と致しました。


写真左:権現岳山頂岩峰直下の祠「檜峰神社」/ 写真右:檜峰神社付近に咲くタカネナデシコ・チシマギキョウ(筆者撮影)

 権現岳の檜峰神社には、八雷神(ヤツイカヅチノカミ)と磐長姫(イワナガヒメ)が祀られています。前者は「強い力」「強い意思」「リーダーシップ」を支えてくれる頼りがいのある神様、後者は女神で容姿は醜かったそうですが「真の豊かさ」「安心・安定」をもたらす「延命長寿」の神様と言われています。平安時代「貞観(じょうがん)10年(868年)」に従五位下を授かったと記載があり、小さな祠ですが長らく八ヶ岳周辺の人々から崇められてきた山岳信仰の場であることがわかります。

 歴史を紐解くと、貞観6年(864年)から貞観8年(866年)に貞観大噴火という富士山の大規模噴火活動があり、今に残る青木ヶ原樹海や富士五湖の精進湖と西湖が生まれました。この噴火活動が当時の人々の生活に与えた被害は計り知れません。この祠が真っ直ぐに富士山に正対して建てられ、千年以上の長い間人々が穏やかで美しい富士山を願って手を合わせ祈ってきた姿を思うと感慨深いものがありました。私たちは今、更なる「猛暑」「気候変動」の脅威に晒されています。神にただすがるだけではなく自分自身を見つめ直し、美しくもあり厳しくもある自然環境との調和を目指し、デジタル技術も活用して、自然と人間がどう折り合うのかを考えていかなければなりません。

 課題と向き合った時、悩んだ時、挫けそうな時、「デジタルTERA小屋」をご覧いただければヒントが掴めるかもしれません。江戸時代の「寺子屋」をヒントに、今、そしてこれからを「どう生きるか」、既存の枠組みにとらわれず新たな価値の創造や課題解決に取り組むエキスパートと共に考え共に学ぶプログラムです。

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