生成AI(ChatGPT)利用の現在地-どうする日本?-
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伊庭野基明
一般財団法人AVCC 理事
KK2グローバルキャリアカウンセラー
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昨年11月に公開されて以来、世界の利用者がわずか5日で100万ユーザー(インスタグラムは2.5月、ツイッターは2年)を超えると言う注目を集めたChatGPTですが、現在はどのようになっているでしょうか?ここ数か月、産官学そして個人での、試行、利用、研究、議論、実装が急速に進み、欧米では、とりあえずは「生成AI作と明示する」と言った方向での現実的対応となっていますが、7月18日にマイクロソフト社がAI搭載の製品Copilotを30ドル/月と発表したと同時に株価は4%UPで史上最高値となり、何かと不安定な株式市場でもAIが台風の目となっています。
さて、日本でも試行、勉強から利用、実装の段階に入りつつあるとの感触ですが、最新の日本のChatGPTの利用動向について、株式会社野村総合研究所が6月時点のレポートを出していますので(脚注)、以下で抜粋し紹介してみます。
まず、提供元のOpenAI社へのアクセス件数は5月中旬に767万回/日とピークをつけてその後横ばいですが、日本からのアクセス数は米国、インドについで3番目となっていて、人口比で見れば日本はかなり使っているようです。全世代(15-69歳)でのChatGPTの前月からの認知率は61.3%→68.8%、利用率は12.1%→15.4%と上昇していて、上図にもあるように、特に10-20歳の若年層での利用率の伸びがほぼ倍となっていて、中高大学生が積極的に使いだしているようです。また、業種別では、「情報通信」が32.8%と最も高いのは、ChatGPTがプログラミングやエクセルなどのコードや、関数を自動生成できる事での利用が増えているとの分析があり、一方でまだ利用率の低い「飲食、宿泊、医療、福祉」の分野では「人の代わりにコミュニケーション相手になる」といった声もあり、業種別でのChatGPTへの期待、用途が異なるとも紹介しています。
こうしてみると世界の中でも利用が進む日本で、KK2でも「レンタルスペースのご案内」「IoT道場」のコーナーにChatGPTと連携したチャットボットを実装しました。今後皆さまの評価をいただきながらサービスの向上を図っていきたいと思います。また「生成AIにできなくて人間にできる事は何か、深く考えるとはどういうことか」、弁理士の黒瀬泰之さんとChatGPT活用法について共に考える「デジタルTERA小屋」を9月14日に開催します。皆様奮ってご参加ください。
参照)「日本のChatGPT利用動向(2023年6月時点)」株式会社野村総合研究所
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