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メッセージ from KK2
KK2weekly【メッセージfromKK2】(第817号 2023年12月22日発行)by AVCC
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自分自身の今年は?
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古賀伸明
元連合会長
公益社団法人国際経済労働研究所会長
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今年も早いもので残り1週間強となった。年を重ねるたびに、1年が早く感じてしまう。師走になると、この1年間を振り返っての単語や漢字、流行語などが盛んに発表される。私はこれらの言葉に毎年注目している。この1年を象徴するものを、皆さんがどう見ているのか非常に興味深いからだ。
海外のものから3つ紹介したい。英国のオックスフォード辞典は今年の単語に「Rizz(リズ)」を選出した。「Rizz」は「魅力」や「人を惹きつける力」という意味のスラングで、「Charisma(カリスマ)」という言葉の中間部分から取られたものという。スパイダーマン役で知られる俳優のトム・ホランド氏がオンラインメディアのインタビューで使用したことがキッカケのひとつとなったようだ。日本の私たちからは、あまり身近な話題ではないかもしれない。2つ目は米国ケンブリッジ辞典の2023年を象徴する言葉として選出した、「Hallucinate(幻覚)」だ。選出の理由を、「幻覚」に「生成AIにまつわる新しい意味が加わったため」だとしている。また、出版マネージャーであるウェンダリン・ニコルズ氏は「AIは膨大なデータを処理して特定の情報を抽出し、それらを統合することには優れていますが、私たちが彼らに独創的であることを要求すればするほど、彼らは道を誤る可能性が高くなります」とも述べた。最後は米国のタイム誌だ。「今年の人」に米歌手のテイラー・スウィフト氏を選んだ。「2023年は暗いことが多い年だった。あまりにも多くの組織が役割を果たせていない、分断された世界でスウィフトさんは境界を超越し、光の源となる方法を見出した」と評価した。長い歴史の中で、芸術分野からは初となった。
さて、日本では「日本漢字能力検定協会」が行う「今年の世相を表す漢字」は、「税」となった。防衛費のための増税、所得減税など、税が身近な課題となることが反映されたのだろう。また、日本経済新聞社がまとめた2023年のヒット商品番付は、東の横綱は「生成AI(人工知能)」、西の横綱は「大谷翔平&ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」である。さもありなんというところか。そして、「現代用語の基礎知識(自由国民社・刊)」の読者審査員のアンケートから、上位語がノミネート語として選出され、選考委員会によって決定される流行語大賞には「アレ(A.R.E.)」が選ばれた。授賞式に登壇した阪神の岡田監督は、「ちょうど1年前なんですけども…18年も優勝していないチームが優勝と言うなと。“コレ”は手が届く、“アチラ”というと遠い気がする。“アレ”というのは、もう少しで何かに手が届く。プレッシャーがかからないように“アレ”は良いかなと思った」と背景を告白した。18年ぶりの「アレ」を達成した阪神は、勢いそのままに38年ぶりの日本一を達成した。
自分自身の今年の単語や漢字を思索し、来年の「アレ(A.R.E.)」に思いを巡らす年末・年始であってもいいだろう。皆さん、良いお年をお迎えください。
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古賀 伸明
1952年生まれ。松下電器産業(現パナソニック)労組中央執行委員長を経て、2002年電機連合中央執行委員長、05年連合事務局長。09年から15年まで第6代連合会長を務めた。その後22年まで連合総研理事長を務め、現在は国際経済労働研究所会長。
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