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メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第820号 2024年1月12日発行)byAVCC

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「問題の構造を変えなければ、、、」-デジタル競争力、日本32位-

伊庭野基明
一般財団法人AVCC理事
KK2グローバルキャリアカウンセラー

 令和6年能登半島地震の被害にあわれた方、ご家族の方々にお見舞い申し上げます。

 さて、昨年2023年は、生成AIの飛躍的な成長が見られました。年末には、米国マイクロソフト社は、米最大の労働団体であるAFL-CIOと、AI開発の動向の共有、AI時代のリスキリング支援、および労働者保護の政策立案に取り組むことを発表しました。これは、AIが実際の仕事現場を大きく変える可能性が一層現実味を帯びてきている証とも見えます。

 更にこれらのAIは、最新AI半導体(AIチップ)の進化と協創しながらの社会実装が進んでいます。米国NVIDIA社は自動車運転のレベル5(一般道走行)対応チップを完成し、又、昨年末には韓国サムスン電子は独自開発の生成AIチップ「Samsung Gauss」を搭載し、通話音声を自動で翻訳するスマートフォンを発表しました。2024年は各分野でAIの社会実装が進み、「デジタル社会(Society5.0)」が具体的に目に見え始めた年として歴史に残るかもしれません。

 こうしてみると、2017年に「グローバル社会と日本人に求められる力」でご紹介した、AI学者レイ・カーツワイルの「2045年AIシンギュラリティ説」は10年以上早まりそうですが、ここで、日本の人と社会のレジリエンス(受け入れ)は整っているでしょうか。

 ちなみに、2023年11月のスイスのビジネススクールIMDのデジタル競争力調査では、日本は64か国中32位で、特に「知識(28位)」「技術(32位)」「将来の準備(32位)」の分野で低位に留まり、「問題の構造が変わらぬまま低落が続いている(脚注参照)」と評されています。私たちは自ら考え、行動することで、この状況を打開する必要があります。日本では産官学でのハードとソフトの導入を急速に進めてはいますが、この機会に足元の仕事の見直しからはじめて、社会の構造、そしてそれを支える個人の発想の変革に取り組みたいものです。

 KK2では、「しごと力向上ライブラリ」等、デジタル社会において必要とされる力について学べる多様なプログラムや、自分を見つめ直す「KK2キャリア相談室」などを設置、提供しています。激変する社会の中で、今年も皆様と共に考え、共に学び、共に担う社会を目指して努力していきたいと思います。引き続きのご支援をお願いいたします。

注:IMDの指摘する日本の構造問題:規制の枠組み(50位)、人材(49位)、ビジネスの俊敏性(56位)

伊庭野さん 伊庭野基明
1974年慶應義塾大学卒。日本IBM、リクルート、慶應義塾大学、外資金融機関等を経て、現在KK2グローバルキャリアカウンセラー(米国 GCDFキャリアカウンセリング資格)。
一般財団法人AVCC理事

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