ハザードマップを確認しておこう
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秋田 義一
一般財団法人 AVCC 理事
一般社団法人 話力総合研究所 理事長
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8月8日夕方に発生した日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震を受け、気象庁は次の巨大地震に注意を呼びかける「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)を発表しました。南海トラフ地震の想定震源域では大規模地震が発生する可能性がふだんと比べて相対的に高まっているとして、政府や自治体からの情報に応じた防災対応を取るよう呼びかけています。
1月1日の能登半島地震の被災地の復興がなかなか進まない状況で、また大きな地震です。翌日の9日には神奈川県西部を震源とする最大震度5弱の地震がありました。まさに地震列島です。また、連日、災害級の猛烈な暑さ。そして、豪雨による河川氾濫、浸水被害、土砂災害。加えて、突風による被害。亡くなられた方に心よりお悔やみ申し上げます。また、被災された皆様にお見舞い申し上げます。
7月、東北地方を襲った豪雨について、メディアは「数十年に一度の記録的豪雨」とくり返し報道していました。この数年、毎年のようにこの報道を聴いているように思います。資料によれば、確かに数十年に一度の大雨がこの十年間で20回程度記録されているようです。
NHKでは、地域の防災・減災に役立てようと、NHKアナウンサー 命を守る"防災の呼びかけ"を公開しています。いろいろな状況を想定した多くの呼びかけと、その事例が紹介されています。このうち、雨が強まる前の呼びかけに、「雨が強まる前に地域のハザードマップを確認するなど、近くに危険な場所がないか確認してください。」があります。そういえば、ニュース番組を見ていますと、「事前にハザードマップを確認してください」という防災報道を耳にするようになりました。特に8日以降は、「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)の影響で、「家具の固定」「非常持ち出し袋の用意」「ハザードマップの確認」など日頃の備えについて点検を促す報道が目立ちます。
自身や大切な家族を守るためには、正しい情報に基づく適切な判断と、早め早めの避難が大切です。行政からの防災気象情報は、5段階の警戒レベルを明記して提供されます。レベル5は緊急安全確保、レベル4避難指示、レベル3高齢者等避難です。たとえ避難指示等が発令されていなくても、ハザードマップで災害種類別リスクを確認し、自ら適切に避難の判断をなさってください。
ところで、皆さんはハザードマップをご覧になったことがありますか? 住居など自身のいる場所がどのような危険(ハザード)にさらされているかを知る手がかりがハザードマップです。ハザードマップは災害の種類別に作成されています。みなさんの住所、勤務地、よく行かれる場所の自治体のホームページをご覧になれば、かならず掲載されているはずです。また、国土交通省は「ハザードマップポータルサイト」を公開しています。ぜひ、ご覧になってください。

出典「ハザードマップポータルサイト」東京駅の検索結果
ハザードマップを確認なさると、なじみのない用語が多いかもしれません。例えば、洪水と内水氾濫です。洪水は河川洪水、河川氾濫、外水氾濫などということもあります。内水氾濫は内水浸水ともいいます。洪水(河川洪水、河川氾濫、外水氾濫)は、大雨などにより河川の水位が上昇して堤防の上から水があふれたり、堤防が決壊したりして浸水被害に至るものです。内水氾濫(内水浸水)は、大量の雨のため都市の排水設備で処理しきれなくなった雨水により浸水被害に至るものです。自治体のハザードマップによっては、洪水と内水氾濫を別の地図にしていますので、注意が必要です。わからない用語があれば、ハザードマップに発行元の問合せ先が記されていますので、事前に質問し理解を深めておきましょう。
地震への備えはもちろんですが、これから台風のシーズンです。ハザードマップを確認しておきましょう。
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