メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第853号 2024年8月30日発行)byAVCC

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現代社会と宗教

柴田 文啓
臨済宗妙心寺派 恵日山 開眼寺 住職

 現代社会は、科学技術の社会と言われています。世の中のすべての事象や現象が、科学的に解明される時代となりました。また、あらゆる分野において新しい技術による、より快適な生活をエンジョイできるようになるでしょう。

 このような変化(進化という人もおります)の時代に『宗教』というものがだんだんと隅に追いやられて行き、最後に消滅するのではないかという人もおります。私たちが持っている「心の悩み」というものが、専門家によって全て解明され、その解決法によって解消するということです。私はこの説には同意することはできません。 人間の心とは、このように均一のものではないと思います。

 現在この地球上には約80億人の異なった心を持つ人々が生活しております。ここに『宗教』という存在が求められるのです。この社会には、伝統宗教、そして最近発足した新興宗教まで、多くの宗教が存在します。私の主張する宗教は、現代社会が求める宗教(今までの伝統宗教をベースに現代化された宗教)ということです。

 21世紀は今までにない大きな社会変革が起きるでしょう。 情報のグローバル化により世界の壁は崩れ、多くの情報は即時に世界各地に流れる時代となるでしょう。ある国では情報制限を行っていますが、これも時間の問題でしょう。ここに21世紀に求められる宗教が世界各地に出現するでしょう。その中には、現存する伝統宗教をベースに、21世紀にフィットした宗教も数多くあることと思います。


2023年3月9日開催 第十二回霞が関坐禅会~自分自身と向き合ってみよう~「宗教とはどういうものか」(8分37秒)
(画像をクリックすると動画再生画面が起動します)

 私たち人間は、心の迷いの存在です。そして、安定した心・ポジティブな心を常に求めています。それゆえに私たちはその時代にあった宗教を求めるのです。 科学と宗教とは常に手を取り合って進んでいくべきと信じております。21世紀の宗教は、現伝統宗教をベースにし、21世紀の科学と協和する宗教です。私たち宗教専門家も、また一般信者の方々も、お互いに啓蒙しあい、科学を学び21世紀に期待される宗教を求めてゆこうではありませんか。

柴田 文啓
1934年 福井県福井市生まれ。福井大学工学部卒業。横河電機株式会社に入社。ユーゴスラビアでの工場建設や、医療機器の新規事業立ち上げなどに従事。その後ゼネラル・エレクトリック (GE) 社との合弁会社である横河メディカルシステム株式会社常務取締役、横河電機株式会社取締役、横河アメリカ社社長を歴任。役員退任後、アメリカのNGO「Project HOPE」日本支部代表として、東南アジアを中心に医療支援活動を行う。2000年に得度・出家し、滋賀県の臨済宗 永源寺 専門道場に入り、1年3ヶ月修行を積み、2001年 長野県千曲市 臨済宗妙心寺派「開眼寺」住職に着任。2019年、花園大学文学部仏教学科に入学。哲学や宗教について学び、2023年春卒業。2024年春より、花園大学大学院在学中。

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