メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第860号 2024年10月18日発行)byAVCC

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ESG 具体的には企業は一体何に取組まなくてはならないのか?

野田 弘子
公認会計士 / 一般財団法人AVCC理事
プロビティコンサルティング株式会社 代表

前回(第847号)のメ-ルマガジンでは「ESG」についてご紹介をしました。今回は「一体、企業は何をしなくてはならないのか」についてお伝えします。

ESGのおさらい:
ESGは投資家が持続的に成長する企業を選択するためのキーワードです。


図:KK2事務局作成

つまりこんな会社では困るということです。

E:CO2削減を中心とする環境課題を放置する会社
S:働く人の安心安全、健康を無視する会社
G:経営者の独断専行を許す会社

 こういう会社が持続的に成長するでしょうか?例えば私たちの老後の重要な資金源である年金をこういう会社に投資してもいいのでしょうか?不安ですよね。

 だからこそ・・・
E:CO2削減ビジネスモデルへの転換、例えば電力を再生可能エネルギーへ切替え、プラスチック製品の切替え、EVシフトが起こっているのです。そして、今後ますます加速するのはサプライチェーンを含んだCO2削減です。取引先からCO2に関するアンケートが来ていませんか?自社の製品のライフサイクルにわたってどのぐらいCO2を出しているのかが問われていきます。うちは上場企業じゃないから関係ない!では済まされなくなってきます。

S:最もあってはならないことの一つ、それは児童労働です。つまり、誰かを犠牲にして成り立っているビジネスは持続的ではないということです。うちの会社はありえない!ではありません。Eと同じくサプライチェーン全体で問われています。うちの会社が輸入している原材料、その先で児童労働はないでしょうか?ちゃんと調べているでしょうか?日本国内でも下請け先の労働者の環境はどうでしょうか?まさにこれが働く人の人権の問題で、いま、企業が人権問題に取り組まなくてはならない理由はここにあります。また、内部通報は問題を把握するうえで非常に重要な情報源の一つです。だからこそ通報者を徹底して守り、信頼して使ってもらえることこそが重要なのです。

G:第834号のメールマガジンで説明しましたが、代表取締役の取締役による管理監督が最重要です。つまりは取締役会における代表取締役の選任解任権の行使です。次の社長は今の社長のお気に入りでいいのでしょうか?透明性あるプロセスを経て戦略をしっかり遂行してくれる人を選ぶべきではないでしょうか?

 次回はESGと銀行の関係についてお話ししたいと思います。(2025年1月予定)

野田さん 野田 弘子
公認会計士 / プロビティコンサルティング株式会社 代表 / 三井海洋開発株式会社、岡部株式会社、エステー株式会社、蝶理株式会社 社外取締役 / 一般財団法人AVCC理事
岡山県出身。大学卒業後、約20年にわたり、複数の外資系企業で経理部門の責任者として勤務後、2006年よりコンサルタントとして、会計業務支援、内部統制構築支援、セミナー等に取り組む。2010年5月に会計研修に特化したプロビティコンサルティングを設立。最近では公的年金運用などを含んだ資本市場の動向から考えるダイバーシティの研修も行っている。

[KK2出演プログラム]
ダイバーシティなくして日本の未来なし!~第3回 デジタルTERA小屋 野田弘子さん(公認会計士)~(2023年)
AVCC名称・定款変更記念 法話&クロストーク「どう生きるか ~自ら考え、行動する時代~」(2022年)

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