メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第861号 2024年10月25日発行)byAVCC

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投票日は明後日 必ず投票に行こう!

古賀 伸明
元連合会長
公益社団法人国際経済労働研究所会長
一般財団法人AVCC理事

 第50回衆議院議員総選挙は最終盤を迎え、投開票日が明後日の10月27日に迫っている。自民党の石破茂新総裁が首相就任を前に、衆院選の日程を言明したのは極めて異例だ。スペースの関係で、このことについて触れることができないのは残念だが、非常に大きな問題だと思っている。

 近年の選挙で深刻だと思うのが、投票率の低下だ。衆議院議員総選挙の平成以降だけを振り返っても、1990(H2)年第39回総選挙は73.31%であったが、以降下落を続け前回2021(R3)年は55.93%だ。投票率の低さは、民主主義の根幹が揺らいでいるといっても過言ではない。


図:KK2事務局作成

 異論のある人もいるだろうが、外国の友人に言わせると、日本は一般の市民が行動を起こして社会を変えたことのない珍しい国らしい。歴史を検証したわけではないが、その評価は別にして、ヨーロッパではフランス革命以降多くの国で一般の市民が行動を起こして社会を変えている。アメリカは文字通り移民した市民がつくっていった国だ。そう考えると日本は、確かにそのような経験はない。いわゆる政(まつりごと)は誰かに任せておいて、自分はその領域には入らないという風土があることは事実であろう。

 しかし、今日ほど政治の重要性が求められている時代はない。世界に類を見ないスピードで進行する超少子高齢・人口減少社会に対応した社会保障の課題、教育、税制などなど、政策制度の課題は、すべて私たちの働き方や暮らし方を左右する。これらの課題は、国の経済政策、産業政策、社会政策に大きく関わっている。しかも、それらの政策は政治のプロセスでその大半が決定する。選挙による政治の有り様が、まさに私たちの日々の働き方や暮らし方に直結しているのだ。

 政治は自分とは関係がない、自分ひとりが動いても何も変わらないと考えている方もたくさんいると思う。それは現在の政治への不信が大きな原因であろう。しかし、政治・政党不信という言葉で責任回避してきたのは、私たち自身であることも間違いない。政治に失望せず、理想の政治を実現するのは政党でも政治家でもなく、私たち自身、私たち一人ひとりが責任を持って創り出して行くものであることを改めて認識しなければならない。

 政治に不満や不信を抱き関心がないと横を向いているだけでは、何も解決しない。政治を私たちの手に取り戻すことが今何よりも重要である。また、異なる側面からは、政治にも競争原理が必要だ。一定の規模の政党や会派が、政策論争で切磋琢磨する緊張感ある政治体制である。そして、政治に緊張感をもたらすのは、有権者の厳しい目と行動だ。無関心では真の民主主義を育てることはできない。私たちの積極的な政治参加が政治を動かし社会を変える。

 投票日もすぐ目の前だ。国民の権利でもあり義務でもある投票に必ず行こう!

古賀さん 古賀 伸明
1952年生まれ。松下電器産業(現パナソニック)労組中央執行委員長を経て、2002年電機連合中央執行委員長、05年連合事務局長。09年から15年まで第6代連合会長を務めた。その後22年まで連合総研理事長を務め、現在は国際経済労働研究所会長。一般財団法人AVCC理事。

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