人生100年とAI時代、日本人のキャリアデザインを考える
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伊庭野基明
一般財団法人AVCC理事
KK2グローバルキャリアカウンセラー
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人生100年時代を生きるために大切な「健康」について、現在KK2のプログラム「変化と向き合う心と体」が鎌田修広講師のリードにより進行中です。このように心身の健康に向き合いつつ、変革の時を迎えている世の中で今、日本人はどのように自分のキャリア(人生)をデザインするかが問われています。
私自身の学びや就労の経験値で恐縮ではありますが、理論的には個々人が自らのキャリアを主体的にデザインし行動できること、また企業や組織における就労内容の定義(Job Description:JD)が明確になること、そして、この両者の労働市場でのベストマッチングが、時間はかかっても方向的には、社会の効率を高め、個人の幸福にもつながって行くと理解してきました。
しかし、この1-2年の急速なAIの進化を見つつ、第855号の「エキスパートの行動を観察し、真似る」でも触れたように、仕事の定義の明確化や形式知化だけでなく、人間力を軸にした歴史や文化に根差した暗黙知を合わせた総合的なしごと力、「動機、意欲、やるき」のような図れないコンピテンシーが、より求められる時代になってきたようです。
キャリアデザインについては、大学などの就職活動支援現場での指導が進んでおり、すでに職場で活躍している若手アソシエイト層(~35歳程度)には理解が浸透しているようです。しかし、就職後3年以内に約30%が離職するなど、過度なキャリアチェンジの傾向も見られます。KK2でも紹介していますが、「筏くだりと山登り」といったキャリア理論の先達の教えも今一度参考にしていただければと思います。
また、定年を視野に入れ始めたミドルシニア層(50歳代)については、キャリアデザインそのものに馴染みが少ないかもしれませんが、前述の「筏くだりと山登り」に加え、「ロールモデル」、「三つのや」といったキーワードだけでも参考にしていただけると幸いです。
さらに、KK2キャリア相談室では、プロのコンサルタントが皆様のキャリアデザインに関する相談に対応しております。ミドルシニア層の皆様も、ぜひご活用いただければと思います。
変わりゆく日本の中で自分のキャリアをデザインしてゆく時代、皆様と共に考え、共に学び、支え合う社会を目指していければと願っています。
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