江戸の文化を継承しレジリエントな社会を目指す
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久保田了司
一般財団法人AVCC 理事長
霞が関ナレッジスクエア(KK2)代表
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霞が関ナレッジスクエア(KK2)は、企業ばかり約50社で構成される千代田区霞が関三丁目町会(会長 松寿庶氏)のメンバーとして、その活動に積極的に参画しています。霞が関三丁目で働く昼間の人口は官民併せて20,000人を超えますが、夜間人口は国会対応で夜なべするお役所の皆さんを除けばほぼゼロ、休日は人影もまばらで静まりかえる東京都心の特異な街です。
霞が関三丁目町会は、新年祭・観桜会・観楓会・防災ナイトツアーといった活動を通じて、メンバー同志が交流し顔と顔が見える関係を築き、やがて起きる首都直下地震等有事においては共に支え合うレジリエントな街づくりを目指しています。KK2を運営する一般財団法人AVCCは千代田区と「大規模災害時における帰宅困難者等受入に関する協定」を結んでいます。この協定は、公共交通機関の運行が停止するなどの理由で帰宅困難者となった人を、一時的な避難所として受け入れるものです。KK2は千代田区災害対策・危機管理課とホットライン(防災無線システム)で繋がり、NTT災害時用公衆電話(特設公衆電話)を整備。水、非常食、アルミブランケット、携帯トイレ等も一定数備蓄しています。もし霞が関周辺で帰宅困難になったら、まずはKK2に避難しましょう!
 潮見坂を上る日枝神社神幸祭行列 / 首相官邸から日枝神社へ向かう神幸祭大詰めの行列 「霞が関三丁目町会 町会ニュース第59号(2024.6.13発行)より」
町会活動の最重要イベントは、二年に一度挙行される日枝神社神幸祭(2024年は6月7日斎行)です。千代田区・中央区(一部新宿区・港区)の各町会がお世話をする氏子区域を、早朝から夕方まで神幸行列が巡ります。総勢500名が平安装束に身をつつみ、皇居を中心に粛々と巡行し、『氏子の町々・人々に幸いあれ・災いあらざれ』と祓い清めて神の恵みを仰ぐ神事です。霞が関三丁目町会では、氏子地域を通る霞が関二丁目交差点から潮見坂を上がり首相官邸迄の数百メートルの区間を先導します。
江戸時代から継承された日本人のレジリエンスの「源」は、自然との共生、コミュニティの相互扶助、伝統文化の継承、変化への適応力、などの相乗効果にあります。しかし最大の課題は、町会の担い手不足と加入率の低下です。千代田区の場合、30,000人近くまで減った人口が昨今約69,000人にまで膨れ上がっていますが、その47%が独り暮らしの若年者とのことです。各町会のコミュニティ活動に単身の若者を惹き付ける、デジタル社会ならではの取り組みを待ち望んでおります。
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