メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第874号 2025年1月24日発行)byAVCC

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今年2025年は過去と未来をつなぐ重要な年

古賀 伸明
元連合会長
公益社団法人国際経済労働研究所会長
一般財団法人AVCC理事

 新しい年、2025年も既に1カ月が経過しようとしている。今年は昭和元年からちょうど100年、そして第二次世界大戦の終結から80年という節目の年でもある。

 昭和という時代は、日本の近代化が進む中で、多くの困難と変革を経験した激動の時代であった。昭和初期には大恐慌や軍事的拡張の影響で苦しい時期が続いたが、戦後には焼け野原から復興し、高度経済成長を成し遂げ、現在の日本社会の基盤が築かれた。この100年の間に、私たちは技術革新や社会の変化を通じて、多くの成果を手にした。

 特に第二次世界大戦の終結からの80年は、平和と繁栄の重要性を再確認する時期だった。戦争の惨禍を二度と繰り返さないという決意のもと、私たちは国際社会と協力し、平和を維持しようとしてきた。また、戦後の復興を通じて、人々は経済的な安定だけでなく、文化や教育、福祉の面でも豊かな社会を築く努力を重ねてきた。

 しかし現在、バブル崩壊後失われた30年といわれる経済の低迷とともに、環境問題や少子高齢化、人口減少、経済的格差、自然災害など、私たちの社会はさまざまな課題に直面している。また、急速なデジタル化が進む中で、人間同士のつながりや共感をどのように保つかという問いも避けて通ることはできない。

 未来を築くためには、過去から学ぶ姿勢が欠かせない。昭和の時代から私たちは、困難を乗り越える力や連帯の重要性を学んだ。それを現代の課題に応用し、地球規模の視点で行動することが求められている。例えば、環境問題への対応には、個人の行動変容だけでなく、政策レベルでの国際的な取り組みが必要だ。第二次世界大戦後の復興のように、大きな挑戦を共有する意識が再び重要になる。

 また、私たち一人ひとりが「未来の社会をどのようにしたいか」を考えることも大切だ。テクノロジーの進歩によって、私たちはかつて想像もしなかったような可能性を手にしている。AIや再生可能エネルギーなどの新しい技術は、生活を便利にするだけでなく、持続可能な社会の実現にも寄与する可能性を秘めている。しかし、その利用には倫理的な配慮が欠かせない。テクノロジーが人々の幸福や平和にどう役立つのかを常に問う必要がある。

 2025年という節目に立つ私たちは、過去の教訓と未来への希望を胸に、次のステージに向けて歩んでいかねばならない。私たちが多くの経験から学んだ、昭和からの100年、そして戦後80年の歴史を振り返りながら、その知恵を活かし、持続可能で多様性を尊重するより良い社会を築くための努力を続けることが重要だ。未来は私たちの選択と行動によって形作られる。次の世代が誇れる社会を築くために、今ここで何ができるのかを真剣に考え、一歩ずつ着実に歩みを進めることが大切だ。

 2025年は過去と未来をつなぐ重要な年となる。新年を迎えるにあたり、多くの人々がそれぞれの立場から日本の未来に向けて何をすべきかを考え、行動する契機にしていかなければならない。

古賀さん 古賀 伸明
1952年生まれ。松下電器産業(現パナソニック)労組中央執行委員長を経て、2002年電機連合中央執行委員長、05年連合事務局長。09年から15年まで第6代連合会長を務めた。その後22年まで連合総研理事長を務め、現在は国際経済労働研究所会長。一般財団法人AVCC理事。

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