メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第884号 2025年4月4日発行)byAVCC

無料で学べるKK2Webサイトの動画掲載本数 2,039

IoTから「IoP(Internet of Persons)」へ ― 人間中心のデジタル社会をめざして

久保田了司
一般財団法人AVCC 理事長
霞が関ナレッジスクエア(KK2)代表

 令和7年度が始まりました。私たちの社会にはインターネットを通じて様々なモノがつながる「IoT(Internet of Things)」の技術が急速に浸透してきました。家庭の電化製品、車、工場の機械まで、あらゆるモノがネットワークにつながり、情報を収集し、私たちの暮らしをより便利に効率的にしてくれています。

 しかし、次に目指すべきは「モノ」だけでなく、「人」が真に中心となるデジタル社会の実現ではないでしょうか。そのような未来を表す新たな概念として、私は「IoP(Internet of Persons)=人のインターネット」という言葉を提案したいと思います。IoPとは、単に人々がネット上でつながるという意味以上のものです。それは人と人の思いや意見がデジタル技術を通して共有され、共感や理解が生まれる社会。高齢者や障がいのある方に寄り添い、地方や海外にいる人々も含めて、誰もが孤立せず、対話や参加が可能になる社会です。

 また、IoPでは、個人の尊厳や情報の管理、倫理に対する配慮が不可欠です。デジタルでつながるからこそ、私たちは「つながり方」に対する責任とモラルを保つ必要があります。

 IoTが「便利さと効率」をもたらしたなら、IoPは「共感とつながり」を育むものです。これからの社会においては、テクノロジーを人間の幸せのためにどう使うかが問われています。IoPという視点は、デジタル社会における新しい人間中心の価値観とビジョンを提示するものと信じています。私たち一人ひとりが主役となり、思いやりに満ちたデジタル社会を、共に築いていきましょう。


春、千鳥ヶ淵に咲く桜(2025年3月27日筆者撮影)

 来る5月23日(金)15:00より令和7年度AVCC&KK2事業説明会「これからの社会と私たちの役割」を開催します。会場には、AVCC賛助会、KK2協賛メンバー、日頃お世話になっている皆さまの席(定員:60名)をご用意いたします。また、ライブ配信(定員:500名)は、KK2Web会員であればどなたでもご参加いただけます(無料)。今回の講師として、元連合会長の古賀伸明さんをお迎えします。古賀さんは、「生活者」視点に立った社会改革に力を注がれ、働く人々の声を政策に反映させる役割を担ってこられた方です。雇用の安定、公平な賃金、ワークライフバランス、非正規雇用の処遇改善、男女平等、社会保障制度の充実など、働く人々の生活と権利を守る活動に尽力されてきました。今回、「人としての生き方」「リーダーとしての在り方」そして「社会の一員として大切にすべきこと」をテーマにご講演をいただきます。デジタル社会が進化する中、より良く生きるためのヒントを皆さまと共有できればと思います。多くの皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

公式YouTubeでAI読み上げ動画も掲載中!

yose yose yose yose

■発行元:一般財団法人AVCC霞が関ナレッジスクエア事務局
〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-2-1 霞が関コモンゲート 西館ショップ&レストラン 3F
電話:03-3288-1921 携帯電話からは:03-6821-1121

霞が関ナレッジスクエア(KK2)は学校教育や企業研修では教えていない「しごと力」をいつでも、どこでも、誰でも学べる場を提供することを目的に、一般財団法人AVCCの公益目的事業として運営しております。