|
メッセージ from KK2
KK2weekly【メッセージfromKK2】(第904号 2025年8月22日発行)by AVCC
|
酷暑の夏 私たちにできること
|
古賀 伸明
元連合会長
公益社団法人国際経済労働研究所会長
一般財団法人AVCC理事
|
本当に暑い夏の日が続く。暦のうえで秋の始まりとされる立秋を2日後に控えた8月5日、群馬県伊勢崎市で国内最高気温となる41.8度を観測した。同日には過去最多となる14地点で40度以上を記録した。我が家のエアコンも朝から晩までフル稼働だ。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長が「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と世界に向けて警告したのが、一昨年2023年の7月だ。これは単なる比喩でなく、もはや事態が待ったなしの状態であるという危機感を鮮烈に伝えるメッセージである。温暖化を通り越し、地球そのものが「沸き立つ」ほどの熱を帯び、異常気象を引き起こしている現状を象徴している。地球規模でみれば、産業革命以降、現在地球の平均気温を約1.5度上昇させており、主な原因は人間の活動による温室効果ガスの排出である。私たち人間はたった約200年で、日々使うエネルギー、移動手段、生産・消費活動などで、地球の気温を急激に押し上げて気候変動を引き起こしてきた。
この気候変動は、極端な高温をもたらす熱波による暑さだけではない。台風や海水温度の上昇による大気中の水蒸気の増加に伴う線状降水帯が発生した豪雨災害、乾燥地帯では蒸発が増えることに伴う干ばつ、森林火災など、すでに世界中で起きている。農作物は高温障害によって収量や品質が落ち、米や野菜などの価格高騰を招く可能性がある。海水温の上昇は魚の分布や漁獲量を変え、漁業への影響も避けられない。豪雨や干ばつなどの極端な気象は住居やインフラを破壊し、経済的損失を拡大させる。私たちの暮らしの隅々に影響を及ぼすのだ。さらに気温上昇が進めば、被害は一層拡大する。もちろん、世界各国の取り組みが重要であり、国際的な合意であるパリ協定では、気温上昇を1.5度以内に抑える目標が掲げられているが、現状の温室効果ガスの排出ペースではそのための「炭素予算」を2030年より前に使い果たしてしまうとの試算もある。また、世界第二の排出国である米国・トランプ政権はパリ協定から離脱した。
しかし、私たちができることは、決して小さくはない。家庭や職場での省エネルギーの徹底はもちろん、公共交通の利用を進めることも重要だ。買い物や食事の際に地元産や季節の食材を選び、輸送や冷蔵に伴うエネルギー消費を減らすこともできる。こうした日常の積み重ねが、温室効果ガスの削減につながる。また、地域社会での防災意識を高めることも不可欠だ。ハザードマップを家族で確認し、避難所や避難経路を共有しておく。高齢者や障がいのある人を含めた見守りの仕組みを作る。防災訓練などに参加し、知識と行動を地域全体で高めることも、被害を減らすためには欠かせない。
その積み重ねが、解決の第一歩となる。気候変動は、私たち人間の行動が原因であり、同時に解決するのも人間の行動である。未来世代のために、そして自分たちの生きるこの地球のために。
|
|
古賀 伸明
1952年生まれ。松下電器産業(現パナソニック)労組中央執行委員長を経て、2002年電機連合中央執行委員長、05年連合事務局長。09年から15年まで第6代連合会長を務めた。その後22年まで連合総研理事長を務め、現在は国際経済労働研究所会長。一般財団法人AVCC理事。
|
|
☆公式YouTubeでAI読み上げ動画も掲載中!
|
|
|
|

■発行元:一般財団法人AVCC 霞が関ナレッジスクエア事務局
〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-2-1 霞が関コモンゲート 西館ショップ&レストラン 3F
電話:03-3288-1921 携帯電話からは:03-6821-1121
■メルマガのバックナンバーはこちら
|
|
霞が関ナレッジスクエア(KK2)は学校教育や企業研修では教えていない「しごと力」をいつでも、どこでも、誰でも学べる場を提供することを目的に、一般財団法人AVCCの公益目的事業として運営しております。
|