メッセージ from KK2

KK2weekly【メッセージfromKK2】(第919号 2025年12月5日発行)by AVCC

社会の質を高めるデータ活用社会の実現へ

久保田了司
一般財団法人AVCC 理事長
霞が関ナレッジスクエア(KK2)代表

 早いもので2025年も師走を迎え、今年も残りわずかとなりました。皆様にとって、本年はどのような一年でしたでしょうか。

 日本はいま、人口減少という避けられない現実の中で、いかにして社会の活力を維持し、幸福を実現するかという大きな問いに直面しています。この難題への一つの解として進められているのが「データ駆動社会」への転換、すなわち社会の質を高めるデータ活用社会の実現です。これは単にデータを集めることではなく、医療、教育、金融、移動・物流といった生活インフラにおいて、分散していたデータを連携し、AIという新たなエンジンで好循環させることで、一人ひとりに最適化された、人手不足を補う社会の実現です。

 内閣府が提示する「データ利活用制度の在り方に関する基本方針(概要)」(PDF)を基に、私なりにどのような取組みが必要なのかを考えてみました。例えば医療分野では、データの集積により新薬開発を加速し、誰も取り残さない在宅医療の社会実装。教育分野では、不登校となっても学びを継続し社会で活躍できるよう、子供の学びに携わる関係者が共に取組むこと。また金融分野では、大盤振る舞いではなく、本当に困っている人に支援の手を差し伸べることを実現する。そして移動・物流の分野では、個の尊重を大前提に全体最適をもたらす取組み。質を高めるデータ活用社会は、システムや法整備の側面だけで実現するわけではありません。


早朝の神宮外苑で紅葉を堪能する(2025年11月27日 筆者撮影)

第915号でお伝えした岩手県大船渡市末崎町での「デジタル公民館」活動では、AIに目を輝かせる高齢者の姿がある一方で、日常的なスマホ操作やセキュリティへの不安という「デジタルの困りごと」が数多く寄せられました。どんなに便利な技術も、使う人が手軽に安心して恩恵を享受できなければ意味がありません。データ利活用という「アクセル」を踏み込むと同時に、プライバシー保護やセキュリティという「ブレーキ」を確実に機能させ、社会全体の「信頼」を築くことが不可欠です。

 また、第910号で触れたように、私たち自身がアテンション・エコノミーに流されず、多様な視点を持つ「情報的健康」を保つことも、このデータ活用社会を健全に歩むための重要なリテラシーとなります 。

 「超高齢社会」と「デジタル社会」が同時進行する日本において、DXやデータ活用は、単なる効率化ではなく、あくまで「差別のない、すべての人の幸せ」のためにあるべきです。技術の進歩に向き合い、しかし過信もせず、正しく理解して活用する。そうした「人間中心」のアプローチこそが、データの力で、私たちの暮らしや「社会の質」を高める温かな力へと変えていくはずです。

 銀杏の葉は落ちますがまた来春新しい緑の葉をつけます。KK2は来たる年も、誰も取り残さない学びと交流の場として、皆様と共に考え、共に学び、共に担う社会へ向かって進んでまいりたいと思います。皆さま本年もありがとうございました。

公式YouTubeでAI読み上げ動画も掲載中!

メッセージはいかがでしたか?
10秒アンケートにご協力ください(匿名・選択式)
⇒ こちらをクリック

yose yose yose yose

■発行元:一般財団法人AVCC霞が関ナレッジスクエア事務局
〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-2-1 霞が関コモンゲート 西館ショップ&レストラン 3F
電話:03-3288-1921 携帯電話からは:03-6821-1121
メルマガのバックナンバーはこちら

霞が関ナレッジスクエア(KK2)は学校教育や企業研修では教えていない「しごと力」をいつでも、どこでも、誰でも学べる場を提供することを目的に、一般財団法人AVCCの公益目的事業として運営しております。