AIフレンドリーな賢い社会へ!
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久保田了司
一般財団法人AVCC 理事長
霞が関ナレッジスクエア(KK2)代表
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五月にして真夏日が続き、六月に入るや台風の接近も報じられるなど、早くも猛暑を思わせる季節となりました。地球温暖化による環境の変化を実感する今日このごろですが、大きく変わっているのは自然環境だけではありません。私たちの社会そのものも、大きな転換点を迎えています。
5月29日に発表された令和7年国勢調査 人口速報集計によると、日本の人口はこの5年間で約309万人減少しました。これまで人口減少は地方の課題と考えられがちでしたが、千葉、埼玉、神奈川といった大都市圏でも人口減少が始まっています。いま私たち日本人に求められているのは、自分たちの「身の丈」を正しく認識することです。
現在の日本は、為替市場でいくら巨額の介入を行っても、円安・ドル高方向に歯止めがかからない状況が続いています。これが今の日本の「実力」なのでしょう。さらに、日本の1人当たり労働生産性は主要先進国の中でも大きく遅れており、隣国の中国の国内総生産(GDP)はすでに日本の約5倍に達しています。今の日本は、経済大国となった中国と無用に喧嘩できるような力はないのです。
 霞テラスに咲く白い紫陽花(筆者撮影)
このように生産性が低く、人手も足りない状態が続けば、これまで当然だと思っていたインフラやサービスが維持できなくなります。たとえば、今までは「119番」にかければすぐに消防車や救急車が駆けつけてくれることが当たり前でした。しかし今後は、人手不足や組織の疲弊によって、それが当たり前ではなくなるかもしれないという危機が、すぐ目の前に迫っています。
だからこそ、これからは厳しい現実から目を背けず、社会の規模や人口の変化に合わせて、暮らしの仕組みを上手に作り直していく必要があります。それは単なる「縮小」という後ろ向きなものではありません。むしろ、今の実力に合わせて社会を賢く整える「レジリエントな社会」の再構築です。大切なのは、かつての規模に固執して無理を重ねるのではなく、一人ひとりの暮らしを守るために、必要な支援やつながりが届く仕組みに作り直すことです。
これからの社会では、行政の力(公助)だけに頼ることはできません。そこで、デジタル技術やAIを活用して、それぞれが自分らしい場所で暮らしながら、必要なときに人と地域がつながり助け合える、新しい「共助」の形を広げていくことが重要になります。AIを「人間の仕事を奪う脅威」と捉えるのではなく、人と人の協力を助けてくれる「AIフレンドリー」な仲間として付き合っていく必要があります。
たとえば、地域のこれからについて話し合う場では、立場や利害の違いから議論が進まないことが多々あります。そんなとき、AIが一人ひとりの意見を公平に整理し、論点をわかりやすく示してくれれば、より建設的な話し合いが進められるのではないでしょうか。人手不足の現場をAIが補い、人と人とのつながりを支えることで、離れていても孤立しない社会をつくることができるでしょう。
本当に守るべきものは、過去の栄光や古い制度ではなく、そこで暮らす一人ひとりの幸せな生活です。日本の本当の実力を正しく見つめ直し、AIとフレンドリーな関係を築きながら、賢くまとまっていく社会の未来を、皆さんとともに考え、創っていきたいと思います。
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