いくつものリアルの中で ―問い続けること―
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伊庭野基明
一般財団法人AVCC理事
KK2グローバルキャリアカウンセラー
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長い間、日本にとってグローバルとは「外の話」でした。海外で起きる変化を、島国の内側から眺め、学び、取り入れるもの――どこか対岸の火事として受け止めていた部分があったように思います。しかしいま、その火は確実に内側へ向かってきています。
少子高齢化と人口減少が進む中、外国人労働者や居住者が急増し、かつて「同質」を強みとしてきた日本社会の前提が、変わり始めています。同時に、世界各地で続く対立や分断は、単一の世界秩序という前提を揺るがし、複数の価値観と論理が並立する時代を生み出しました。さらにAIの進化によって、同じ日本人の間でも、見えている世界が異なり始めているようにも見えます。
問題は、これが「今までの変化」とは違うということです。かつて社会の変化は時間差をもって個人に届いていました。しかし今は、世界の動きがほぼ同時に個人の判断と行動に影響を及ぼします。その結果、どのリアル(現実)とつながっているかによって、見えている世界が違ってくると考えられます。これまで私たちが前提としてきた「一つの日本」「一つの世界」という見方だけでは、いま起きている変化を捉えきれなくなってきているのではないでしょうか。
今年、「内なるグローバル化」「外国人との共生」、そして「新しい協働のかたち」と取り上げてきましたが、その底流にあったのは、この問いでした。異なる背景や価値観を持つ人々が、どう関係を築き、共に働き、共に生きるか。それがこれからの日本社会の大きな「問い」になるでしょう。
難しい時代ですが、悲観ばかりでは進めません。異なるものと接することは、社会が存続してゆくための条件です。歴史を振り返れば、人間はもともと、異なるものと出会い、折り合いをつけながら新しい関係をつくってきた存在です。これからの世界を生きる力は、単一の正解を求めることではなく、いくつもの現実の間で「問い続けること」の中にあるように思います。
 事務局作図
その問いを考える機会として、KK2では7月9日に鈴木晴美氏を迎え、「外国人材と『共に働く』未来のつくり方」をテーマにしたデジタルTERA小屋を開催します。ご関心のある方は、ぜひご参加ください。
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