65歳以上のキャリアの新たな可能性? 高齢者にとって適応力の高い業務は何か?
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伊藤健二
KK2産学官連携主席研究員
明治学院大学 学長特別補佐(戦略担当)
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明けましておめでとうございます。
No.457のメッセージでは『本年1月1日、働く高齢者に大きな影響がある雇用保険の改正が行われました。戦後復興から約半世紀間言われてきた「20年学び、40年働いて定年を迎え、20年老後を過ごす」という共通認識が成り立たなくなり、現在既にシニアの方、今後のシニア生活を思う方に、今後の生き方働き方を考え直すよう促すものではないでしょうか。』となっておりました。60~64歳の仕事をしている人のうち、56.7%が65歳以降も「仕事をしたい」と考えており、「仕事をしたくない」人(16.6%)を大きく上回るという調査結果もあります。生き方・働き方にあたっての目安になるのではないでしょうか?
昨年、高齢者の幸福度についても、健康がベースになることをメッセージNo.450でご紹介させて頂きました。幸福度に寄与する仕事、学びはどのようなことでしょうか。
これまでは、高齢者が就業してきた仕事は図表1のような状況になっています。65歳以上の雇用が進んでいく中で、高齢者の特性を考慮した職業について現役世代からの調査結果を考慮した整理は図表2の通りになっています。
高齢者の適応力が高いと現役世代が評価する活動で、職務活動上の重要度が高い活動としては、「協力・交渉」「指導・教育」、「管理運営」が高くなっています。こういった現役世代の評価を踏まえつつ、高齢者としても業務に着手できると、組織内での職務遂行になるかと思います。こういった調査の結果も収集しつつ、自らのキャリアを整理するなど、65歳以降のキャリアを作っていくにあたって、何を学ぶことから始めますか? 年始にあたって、高齢社会においてのキャリア形成について考えてみるのは如何ですか?

出典:「職業特性と高齢者特性」、2016.08、NIRAモノグラムシリーズNo.40、伊藤由希子等
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