KK2  weekly【メッセージfromKK2】 (第431号 2016年7月1日発行) by AVCC

霞が関ナレッジスクエア
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メッセージfromKK2

Dodge BallでなくCatch Ballをしましょう

久保田了司
一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)理事長
霞が関ナレッジスクエア(KK2)代表

久保田了司さん
 6月18日に開催された「しごと力道場」では、「多様性(ダイバーシティー)」をテーマにディスカッションが繰り広げられました。新たに対話力チェックリスト(試案)が提示され、自らの「対話力」を測る試みも行われました。
 熱心な議論を聴きながら、私が大学を出てお世話になった松下電器産業(当時)で配属された職場での上長による「育成指導」を思いだしました。

 配属された日、上長からのご指示は二点、「日本経済新聞と電波新聞を読みなさい。」「残業はしない、就業時間後は仕事以外の様々なことに取組みなさい。」でした。自宅通勤だった私は早速母親に二紙の購読を依頼し、翌朝出勤すると、見透かされたように「新聞代は自分の給料で払うんだゾ!」と念を押されました。
 朝礼が終わると毎朝30分、上長による「口頭試問」が始まりました。「新技術の記事を読み、我が社ではどのような新製品が考えられるか?」「原油価格高騰がもたらす我が社や日本経済に与える影響は?」等、等。単に新聞記事を読んだか否かをチェックするだけでなく、その記事から「自分はどう考えたか?」持論を述べよ、という指導でした。ふつつかな持論を述べると鋭い質問があり、徐々にではありますが「理解」が深まり、次第に毎朝の「口頭試問」が一日の仕事のアクセントになって行きました。混む通勤電車内では新聞は読めない、一時間早く起きて新聞を読み持論を考え上長との「対話」に備える。こうして学生気分が払しょくされ、「働くこと」や「しごと力」に対する理解が深まって行きました。「口頭試問」が今も私の体に刻み込まれ今日があることに深く感謝し、毎朝部下と向き合い対話していただいた上長の「熱意」に深く敬意を表します。

 社会的にもビジネスに於いても正解の無い困難な課題が山積していますが、「対話力」を磨き「相互理解」を深め「課題解決」に向けて歩むことが求められています。Dodge* BallでなくCatch* Ballをすることが大切ではないでしょうか。

注1 Dodge:素早く身をかわす・はぐらかす
注2 Catch:つかむ・受けとめる