峠の茶屋などのケースと調査データ、そして今年のシニア向け政策から考える、幸福度を高めるシニアキャリアの可能性!
|
伊藤健二
KK2産学官連携主席研究員
明治学院大学 学長特別補佐(戦略担当)
|
2016年の65歳以上就業者(総務省労働力調査)は767万人に上り、この10年で257万人も増えています。もちろん生活のために働かざるを得ない高齢者もいます。ただ、独立行政法人労働政策研究・研修機構が2015年に実施した調査によると、年金がもらえるようになっても働く意欲がある男性は60代で79%、70代以上で77%に上り、シニアの就労意欲は旺盛です。
そんな中、シニアの就労として、「第461号【「峠の茶屋」は人生二周目の”good practice”】」は如何でしたか?他には、どのような“good practice”が65歳以上としてはどのようなキャリアの可能性がありますか?
・少々具合が悪くても休まずに毎日きちんと店をあけ、アテにされることを励みに
・旅人たちもこの茶屋をアテにして
「第458号【65歳以上のキャリアの新たな可能性? 高齢者にとって適応力の高い業務は何か?】」では、適応力の高い業務を調査から考えさせて頂きました。
・高齢人材の適応力評価の高い仕事で
・職務活動の重要度の高い仕事
という仕事は、“管理運営”、“指導・教育”、“協力・交渉”でした。
出典:「職業特性と高齢者特性」、2016.08、NIRAモノグラムシリーズNo.40、伊藤由希子等
お茶と甘味を揃えた茶屋の運営、旅人との語らい、など、まさに管理運営、コミュニケーションです。体調によらず安定した茶屋の運営ということで、アテにされるという信頼を作っていくこともベースですね。
「シルバー人材センター」「生涯現役促進地域連携事業」等、高齢者の仕事としては様々なものがありますが、「安定した」提供によって、「アテにされるという信頼」を作っていくことは何から始めますか?会社は「65歳超雇用推進助成金」といった制度も今年度から施行されている中で、どんな機会を65歳超はどんなことを着手されますでしょうか。
人生二周目を考えるにあたって、人生一周目について、仕事など、自分の経歴を、関連してきた様々な企業等の方々も含めて整理することはされていますか? KK2でも、アクティブシニアや自分史に関するセミナーを開催してきていますが、今後も企画を進めていくにあたり、一生楽しく働ける起業など、シニアキャリアの様々なケースも集めていきたいと思います。
|