GW中に見た夢! 15,000公民館でデジタル公民館®活動を!!
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久保田了司
一般財団法人高度映像情報センター(AVCC)理事長
霞が関ナレッジスクエア(KK2)代表
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GW中、久々にリアルに向き合あって孫達と過ごす積りでしたが、就学前の彼らの手にはタブレット端末があり、LINEやYouTubeを駆使し既にデジタル社会に生きる姿を目の当たりにしました。
ひと昔前になりましたが3.11東日本大震災のあった2011年、約4,500人(当時)が暮らす岩手県大船渡市末崎(まっさき)町で避難所となっている公民館を訪ね、私は初老の公民館長が復興の先頭に立つ姿に胸を打たれました。同じく2011年12月、行政に頼らない「村」おこしで知られる、住民約300人(当時)の鹿児島県鹿屋市柳谷(やねだん)自治公民館で、同じく初老の公民館長の獅子奮迅のご活躍に接し感動しました。市町村合併により行政と住民の距離は遠く、公民館をハブに官でも民でもない「公(おおやけ)」の活動が地域コミュニティを支えていることを改めて知りました。
公民館は終戦直後、戦争によって荒廃した人心を立て直し、日本を民主的で平和な国家へと再建するための地域拠点として設けられました。この構想は、当時の文部省寺中作雄氏らが連合国総司令部(GHQ)と擦り合わせ作成した「寺中構想」と呼ばれ、公民館の機能は、(1)社会教育の場。(2)社交娯楽の場。(3)町村自治振興の場。(4)産業振興の場。(5)青少年の養成に最も関心を持つ機関。とされ地域の重要なハブでした。また公民館活動のミッションは、(1)基底は人間尊重の精神にある。(2)核心は国民の生涯教育の体制を確立する。(3)究極の狙いは住民の自治能力の向上にある。とされ、『自分の頭で考えて、行動する人を育む』ことでした。
 デジタル公民館®KK2活動サイクル
この公民館のレガシィとして現在も15,000館が全国に存置されていますが、残念ながら「工業社会⇒情報社会⇒デジタル社会」という時代の変化に対応できておらず、多くの公民館では未だにネット環境すら整備されていない事実に愕然とします。当時私たちは、上記「末崎地区公民館(ふるさとセンター)」「柳谷自治公民館」両地域にインターネット環境が無く情報社会の入り口にも立っていないことを知り、両公民館に光回線を敷設しWiFi環境を整えWebサイトを立ち上げ、デジタル公民館まっさき活動、デジタル公民館やねだん活動とし、ささやかですがデジタル公民館®活動の支援を行ってきました。
令和の世に入り、大きく速いパラダイムチェンジにしなやかに対応できるレジリエントなデジタル社会が求められていますが、霞が関にデジタル庁を作るだけでは「誰一人取り残されないデジタル社会」は実現できません。全国津々浦々15,000公民館をハブとしてデジタル環境を整え、地域毎に子供から・働き盛り・シニアに至るまで、共に考え、共に学び、一人ひとりが役割を担う「公(おおやけ)」のコミュニティ活動が不可欠です。15,000公民館でデジタル公民館®活動を!を正夢にしたいと思います。
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