『データの見えざる手』 ‐ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則
著 者:矢野 和男
出版社:草思社
発 行:2014/07
定 価:1,500円(税別)
出版社:草思社
発 行:2014/07
定 価:1,500円(税別)
【目次】
1.時間は自由に使えるか
2.ハピネスを測る
3.「人間行動の方程式」を求めて
4.運とまじめに向き合う
5.経済を動かす新しい「見えざる手」
6.社会と人生の科学がもたらすもの
1.時間は自由に使えるか
2.ハピネスを測る
3.「人間行動の方程式」を求めて
4.運とまじめに向き合う
5.経済を動かす新しい「見えざる手」
6.社会と人生の科学がもたらすもの





たとえばリストバンド型のウエアラブルセンサは、加速度センサにより1秒間に20回、腕の細かい動きを捉え、メモリに記録する。複数の人間の腕の動きを、数日間、24時間計測し、1日にどれだけ激しい動きをしたかを記録して統計をとり、グラフにする。すると、著者が「U分布」と呼ぶ、右肩下がりの直線になる。この分布は、自然界の物質中での原子や分子の熱エネルギーの分布と同じ形である。このことは、人間の行動は自然現象と同じく一定の原理や法則に基づくものであることを示している。
そうしたアプローチで「購買」という行動の計測が行われた。あるホームセンターにおいて、顧客や従業員の動きの詳細なデータ収集を行ったのだ。計測に用いられたのは、ウエアラブルな名札型のセンサ。そこに各自の店内での位置や、面会の時間と場所などが記録される。その計測データを分析した結果、(なぜなのかは不明だが)「従業員が店内のある特定の場所にいること」が顧客単価に影響しているという、意外な事実がわかった。
この結果は、仮説を立て、それを検証するという従来の分析方法では得られなかったものだ。人間には思いもよらない仮説を、ビッグデータからコンピュータが導き出したのである。