『農山村は消滅しない』
著 者:小田切徳美
出版社:岩波書店(岩波新書)
発 行:2014/12
定 価:780円(税別)
出版社:岩波書店(岩波新書)
発 行:2014/12
定 価:780円(税別)
【目次】
序.「地方消滅論」の登場
1.農山村の実態――空洞化と消滅可能性
2.地域づくりの歴史と実践
3.地域づくりの諸相――中国山地の挑戦
4.今、現場には何が必要か――政策と対策の新展開
5.田園回帰前線――農山村移住の課題
終.農山村再生の課題と展望
序.「地方消滅論」の登場
1.農山村の実態――空洞化と消滅可能性
2.地域づくりの歴史と実践
3.地域づくりの諸相――中国山地の挑戦
4.今、現場には何が必要か――政策と対策の新展開
5.田園回帰前線――農山村移住の課題
終.農山村再生の課題と展望





本書は、本当に、地方、そして特にその最奥にある農山村が消滅してしまうのかを明らかにすべく、農山村の現場の中で探っている。
近年、日本の都市部には、農山村への移住に関心を持つ人口は決して少なくない。その証拠に、移住のための専門雑誌は2誌が発行され、読者の約85%が20~40歳代であるという。その背後には、人々の「田園回帰」と呼べる農山村への新たな関心があるのだ。先の「地方消滅論」は、こうしたトレンドを徹底的に無視している。あるいは、何ら影響がないと考えている。が、両者の間にある大きなギャップを埋めずに、日本の将来を語ることはできない。
新しい世紀に入り、食料やエネルギーのみならず、水、二酸化炭素吸収源としての森林、が、時には各国の政治さえも動かす「国際的戦略物資」として注目されている。これらを供給する農山村は、国際的視点から見れば「戦略地域」と位置づけられ、その保全や再生は国民的課題とされるべきものであろう。また、これら物資の安定的供給は、国際的情勢に過度に振り回されることのない状況を作り出す。このように考えると、農山村を低密度居住地域として位置づけ、再生を図りながら、国民の田園回帰を促進しつつ、どの地域も個性を持つ都市・農村共生社会を構築する、という方向性が見えてくるのではないだろうか。