『目の見えない人は世界をどう見ているのか』
著 者:伊藤 亜紗
出版社:光文社(光文社新書)
発 行:2015/04
定 価:760円(税別)
出版社:光文社(光文社新書)
発 行:2015/04
定 価:760円(税別)
【目 次】
序.見えない世界を見る方法
1.空間
2.感覚
3.運動
4.言葉
5.ユーモア
序.見えない世界を見る方法
1.空間
2.感覚
3.運動
4.言葉
5.ユーモア





目の見える私たちが、一定の視点からあるものを見る場合、その裏側にあるものを同時に見ることはできない。私たちは、たいていその「裏側にあるもの」を“無視”して、平面的にモノを認識する。
一方、目の見えない人には「視点」がない。従って、表にあるものも、裏側の様子も等価に認識できる。たとえば模型を触ることで立体的、俯瞰的にモノを“見る”。彼らは、目の見える人が見逃している「世界の別の顔」を容易に知ることができる。
見えないことは「欠落」ではない。見えないことによって、知覚と認識に「別の扉」が開かれているのだ。
目の見えない人には、道沿いの店や通行人などの雑多な情報は入ってこない。認識するのは、ほぼ足元の傾斜と、会話の声だけ。目の見えない人は、それらの少ない情報をつなぎ合わせることで「配置」や「関係」を敏感に察知する。
著者が「ソーシャルビュー」と呼ぶワークショップでは、美術館で、見える人と見えない人が作品について語り合うことで“鑑賞”をする。目の見える人は、見えない人に解説するのではなく、自分が感じたこと、思い出したことなどを含む言葉を発する。それを聞いた視覚障害者が、それらをつなぎ合わせ、自分の頭の中に作品を作り上げていくのだ。